Microsoft 365 Outlook AutoDiscover の基本認証が廃止となるようです

2022 年 10 月より順次行われている基本認証の廃止ですが、 Outlook の本体の認証から一歩進み、 AutoDiscover と呼ばれるサーバーの自動検知もターゲットにすることになったようです。

https://techcommunity.microsoft.com/t5/exchange-team-blog/basic-authentication-deprecation-in-exchange-online-what-s-next/ba-p/3678143?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

AutoDiscover と聞いてそのイメージが付いた人は Exchange Server などを触っていた経験があるのかもしれません。

Outlook を普通に使っているだけではわからない仕組みなのですが、メールアドレスから、メールボックスをホストしているサーバーを探し当てるための機能と考えるとよいでしょう。

この機能の原点は、オンプレの時代から大規模なメールサーバー群を相手にすることが多かった Outlook のためにどのサーバーにアクセスすれば自分のメールボックスを特定できるか、すばやく確認するための手段として生み出されたものです。

以下を見るとわかるのですが、様々な手法を試してサーバーにたどり着くといった流れとなっています。この流れでチェックしていくことで、オンプレとクラウドのハイブリッド Exchange が実現されているわけですね。

https://support.microsoft.com/ja-jp/topic/0d7b2709-958a-7249-1c87-434d257b9087?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

上記にもあるように、 O365 エンドポイントにアクセスしてそこから場所を探し出すわけですが、このアドレスへのアクセスが基本認証になっているんですよね。

試しにブラウザーから AutoDiscover のアドレスにアクセスしてみましょう。

https://autodiscover-s.outlook.com/autodiscover/autodiscover.xml

こんな感じに基本認証を確認するダイアログが表示されました。ここの認証が廃止されるというわけですね。

ちなみにどのように AutoDiscover が動作するのかは Outlook の画面から見ることができます。

Outlook のタスクトレイアイコンを見つけ、 Ctrl を押しながら右クリックすると表示される「電子メールの自動構成テスト」を開きます。

すると以下のダイアログが表示されるので、メールアドレスを入力していきましょう。

その際 AutoDiscover を使用する以外のチェックを外しておくと早くチェックできます。

通常この画面を見たり、 AutoDiscover を意識したりすることはないのですが、ネットワークの制御を行っている組織ではこの画面でチェックを行って、接続先に間違えがないかなどをチェックしておく必要があることが多いんですよね。

マイクロソフトの基本認証廃止、かなり本気で取り掛かっているので、この手の問題がセキュリティ脅威となることが多いというのが改めてわかります。マイクロソフト製品に限らず、基本認証のみのサービスはどんどん切り替えていきたいところですね。

音楽:幾度

Microsoft 365 Teams のアプリにワークフローカテゴリが追加となっていました

Teams はそれ単体で利用するだけではなく、それに付随するアプリを活用するとさらに作業の効率化を進めることができるようになっています。

たまにはアプリを追加しようということで、左のバーからアプリを選んでみたところ、見慣れないワークフローという項目が追加されていました。以下画面の一番下にあるものですね。

開いてみたところ、一般的に言われるワークフローとは異なり、様々な機能名が並んでいる画面に遷移しました。

一般的ではない。としましたが、これは企業などでの話で、おそらくアメリカなどではこれが一般的なワークフローと呼ばれるものなのでしょう。

Microsoft 製品も SharePoint 2007 のころから同じようなワークフローが搭載されていました。これと日本でいうワークフローの差を説明するのが難儀するんですよね。。。

ただ、今回のようにサンプルがあればイメージするのが簡単なので、今後はこの画面を見せればマイクロソフトのワークフローというものを伝えやすくなりますね。

右側にある「ワークフローを管理」をクリックしてみましょう。

なんと Power Automate に移動しました。

とうとう DPA (デジタルプロセスオートメーション) = ワークフローという図式を確立してくれたようです。これはやっぱり言葉の理解が進みそうな形ですね。

肝心のわくフローカテゴリの中身ですが、例えば承認を見てみると、ファイルが追加されたら承認開始や変更されたら承認開始といった、そのまま Power Autoamte のフローテンプレートとなっているところを見ることができます。かなりわかりやすいですね。

実際 Power Automate はちょっと覚えるだけでかなり使い勝手の良いツールです。思い浮かべるワークフローとの違いも意識しながらぜひ一度触ってみてはいかがでしょうか。

音楽:3 cm

Microsoft 365 Teams にビデオクリップ機能が追加されていました

私の利用している環境の一部のみ出てきていたのですが、 Teams チャットの画面右下、送信ボタンの脇にビデオクリップボタンが追加されていました。

この機能を利用するとこんな感じにカメラが起動し、ビデオを投稿できるようになるようです。カメラと音声はあるのですが、背景画像を変更できないなど、通常の Web 会議とは異なる動きとなっていますね。

早速録画ボタンを押すと、録画最長 1 分でカウントが始まりました。

録画が終わったらレビューボタンを押して先に進む形のようです。

レビューが面も同じ画面構成ですが、下部にスライダーが表示されます。

レコーディングの再実行や前後のトリミングを行えるようになっています。トリミングは左右についている太い部分を移動させる形で行うようです。

最後に送信ボタンを押すと投稿が開始されます。

投稿された画像はチャットにそのまま張り付きます。

SharePoint の Stream 画像を出したときのような見え方ですが、手軽に投稿できるところが売りになるのでしょう。

メニューはこんな感じでした。

その他の操作はここではグレーアウトしていますが、普通に利用できるようでした。(この画像は自分向けチャットに出したので、出てきていません。)

画像の保存場所にアクセスできないかなと探してみたのですが、どこにあるのかちょっとわかりませんでした。おそらくチャット文面と一緒に保存されれているものと思われます。

そのため、メニューにはコピーなどの項目がない形なのかと思います。

そう、コピーや保存ができないので、基本流れていくことを前提とした動画を撮るのがビデオクリップ機能となっているんですよね。

手元を見せたいとか、そういった用途での利用が考えられるところでしょうか。若干実験的要素な感じもするのですが、こういった変化はよいですね。

今後良い活用方法が出てくることを期待したいところです。

音楽:Bees and honey

Microsoft Edge サイド バーにまたまた新しい機能が追加されました

Microsoft Edge のサイドバーの進化が止まらない感じになってきました。

またまた管理のアプリに新しい機能が追加されています。

次に増えたのはショッピング。クーポンを取り扱う機能となっているようです。

そういえば Edge はショッピングという追加機能があったよーな。と思いチェックしてみたところ、いつのまにかトグルスイッチがオフになってました。

オンオフの動きが変わったのかなと思いオンにしてた後にオフに戻してみたら、サイドバーのショッピングもオフになっちゃいました笑

【オンの状態】

【オフにしたらショッピングもオフになりました】

肝心のショッピングの内容はというと、どうも日本語にはまだ対応できていないようでした。全商品ドル表記となり、見たことのあるタイトルも英語になっていますね。

ショッピングタブのほかにクーポン&割引というタブもありました。

こちらはおそらく表示したサイトに関連するクーポンが表示される場所だと思われます。

ただし、残念ながら 2022 年 11 月 中旬時点では著名な EC サイトに行ってもクーポンは表示されませんでした、、、

残念!日本語化もされているので、徐々に表示されるようになってくるものと思われます。

ちなみに上部にある三点リーダーでは設定の管理という項目があるのですが、押下しても動作は行われないようでした。ここもまだ改善点なのかもしれませんね。

意外とスピード感ある形でサイドバーが拡張されていきますね。

この機能にかなり力を入れている証拠でしょう。検索機能や検出機能は非常に使いやすかっただけに、この機能もよい形で進化してくれることでしょう。

その時を待ち望みたいですね!

音楽:いにしえの瞳

Windows 11 Insider Preview Build は Beta と Release Preview Channel にリリースされていました

今週は珍しく、 Insider Dev Channel へのリリースが行われず、Beta Channel と Release Preview Channel の更新が行われました。

しかもなぜか Beta Channel は 2022 年 11 月 7 日と 10 日の 2 回も実施されています。

Dev Channel は何か問題があってリリースできなかったように感じますね。早めに復旧してくれることを願いたいと思います。

Beta Channel
11/7
Windows 11 Insider Preview Build 22621.885 and 22623.885
11/10
Windows 11 Insider Preview Build 22621.891 and 22623.891

Release Preview Channel
11/10
Windows 11 Build 22000.1279
Windows 10 Build 19045.2301

Beta Channel では新機能として Windows Studio Effects というものをクイックアクセス上から設定できるようになったようです。

この Windows Studio Effects は Neural Processing Unit を搭載した PC で有効になるということで、今のところ Windows 開発キット 2023 くらいでしか利用できない機能な感じがします。 11 月の後半には  Microsoft SQ3 という CPU + NPU 搭載の Surface Pro 9 がリリースされるので、実利用はその時に真価を発揮する形になるものと思われます。

Windows Studio Effects では Web 会議向けに赤目軽減やカメラ内のユーザー位置を検知した中央位置補正、背景のぼかし機能などを NPU 内で実行する機能が備わっているとのこと。

最新の iPadiPhone でも利用できる機能ですよね、これ。 Windows でも動作するようになるのは大きいですね。

そのほか、タスクマネージャーに検索機能や、バッテリーセーバーの推奨事項の案内など、 Dev Channel に発表されていない機能が盛りだくさんとなっているようです。

Release Preview Channel は Windows 11 と Windows 10 ともにクイックアシストが利用できるようになったと書かれていました。

クイックアシストはリモートデスクトップをヘルプデスクの人に実行してもらうような機能です。同機能は過去からあったような気がしていましたが、なくなっていたのですね汗

気が付いていませんでした。

確かに Windows 11 の初回リリースには入っていませんでした。 Dev Channel には入っていたので、どこかで追加されていたということですね、、、

機能としては以下のような感じで、ボタンをクリックしていくだけで相手の画面につながることができるようになっています。簡単に使える機能ですが、悪用されないよう信頼のおける方とのやり取りでのみ使うようにしましょうね。

ちなみに Dev Channel Windows Update を見ると二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいるという文言を見ることができます。

詳細情報にアクセスすると、炭素対応が行われるようになった旨のアナウンスがなされています。

https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/a53f39bc-5531-4bb1-9e78-db38d7a6df20?WT.mc_id=WDIT-MVP-5002496

ちょっと面白ろ翻訳になっているのが残念ではありますが、 Windows Update の時間帯をコントロールすることで、電力会社でのカーボン排出が少ない時間帯にアップデートを行うようになるなど細かな配慮は大きな一歩なのかと思います。

この取り組みは 22H2 から行われているので、ぜひ広く使われるようになってもらいたい感じですね。

音楽:瀬名へ

Microsoft Edge AAD と MSA を連動させる機能が追加となるようです

組織のアカウントと個人の MSA を連動させ、組織内で検索を行った際に発生する Rewards を個人で受け取る仕組みが用意されるようです。

2022 年 12 月 11 日には Microsoft Edge の設定画面から設定が行えるようになるとのことでした。

近年マイクロソフトは Rewards に力を入れているように感じます。

Rewards は端的に言うとポイントプログラムなのですが、かけたお金の一部が Rewards になるだけではなく、検索などのアクティビティでもらえるというのが特徴ですね。

Microsoft News のアプリを入れていると画像を見るだけでポイントがもらえたりするので、すぐにたまっていくんですよね。

https://www.microsoft.com/ja-jp/rewards

今までは組織と個人の紐づけがなかったため、業務で検索するときに MSA にプロファイルを切り替えてから検索しているようなケースが多くあったとのこと。

日本でそこまでのことをしている人がどれだけいるかわからないのですが、海外ではある事例なのでしょうね。

この機能、開始される前であれば以下のサイトに記載されている PowerShell スクリプトで、 Rewards 用の連動を実行させないようにすることができるようです。書きっぷりからすると AAD に対して MSA を紐づけられないようにする設定のようですね。

https://www.microsoft.com/en-us/bing/account-linking-admin-faq?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

スクリプトは以下となっています。珍しくコマンド入力が不要なように ps1 ファイルでの提供です。

https://download.microsoft.com/download/2/4/5/245c3b59-a897-4ee1-a24d-e0ead9007603/AccountLinkingDisable.ps1

ちなみにこの機能で連動させた場合、解除が曲者となるようです。

以下にあるように、 AAD のユーザーではなくなった場合、連動を削除するにはアカウントを削除してもらうしかないようなのですよね。退職時に連携を切り忘れると大変です。(アカウントを削除さえすればよいのですが、組織によってはメールアーカイブを残すためにアカウントを削除しないという運用が考えられるんですよね。)

https://www.microsoft.com/en-us/bing/account-linking-faq?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

このようなケースも想定しつつ、 オプトアウトするかどうか検討してみましょう。

音楽:約束

Microsoft 365 Apps ファイル保存時の選択肢にファイル共有機能が追加されていました

皆さん Office ファイルの保存時は Ctrl + S を利用していますか?
それとも F12 派でしょうか。

私は今まで F12 を利用するケースが圧倒的に多く、この仕様が追加されていたことに気が付かなかったので、今回紹介しておきたいと思います。

何をかというと、 Ctrl + S を利用して新規保存したときに出るダイアログに「共有する(オプション)」という項目が追加されていたのです。

これは、 Microsoft 365 の SharePoint / OneDrive 上にファイルを格納したときに、格納と同時に共有を行ってくれるという機能となっているようです。

メールアドレスを入力すると、その組織で許可された範囲で共有が行えるようになるというもの。

このメールアドレスはサジェストが効くので Outlook の連絡先や Microsoft 365 のユーザー一覧から選択することもできるようでした。

もちろん、外部ユーザーもアクセス許可があれば選択できるようでした。

選べる ACL は 2 種類で、表示のみ可能と編集可能となっています。

ちなみに OneDrive 同期アプリが対象としていない場所に保存しようとすると、このオプションがグレーアウトしました。やっぱり Microsoft 365 の中で利用できるという感じですね。

以下は Office 2021 の保存画面です。

やっぱりこのメールアドレス選択みたいなものはなかったですよね。

上記は PowerPoint で確認したものなのですが、 Excel で見てみたところ、秘密度という項目が出てきました。 Microsoft Purview Information Protection をここから設定できるってことですね。

やっぱり Microsoft 365 Apps は徐々に進化していますねぇ。

知らないことに追いつくためにも時々様々な機能を動かしてみるのが重要ですね!

音楽:Pu Qua