Microsoft Teams の会議機能は、資料の共有を行うとその間はカメラの表示を見ることができない仕様となっています。資料の説明時に人の表情を表示する必要はない。という考えのもとに組まれているのかと思います。しかしながら、資料と共に顔が映るように調整したいという要望は結構あるのではないでしょうか。
最近はウェビナーの内容を動画サイトに投稿するケースも増えてきており、こういったケースが望まれることが増えてきたのではないかと思います。
そこで今回は手軽に資料共有に自身の画像を埋め込んでみたいと思います。
Ingite 2020 で今後 Teams にカスタムレイアウトの機能が提供されることが発表されましたので、今だけの限定利用になるかもしれませんのでそのあたりは悪しからず、、、
まずいくつかアプリケーションが必要となるのでインストールしていきましょう。
今回利用するアプリは OBS とそのプラグインです。
OBS とは Open Source のライブ配信アプリなのですが、今回はライブ配信は行わず、そのプラグインとなっている Virtual Cam を利用して、そのカメラを Teams につないでいきたいと思います。
まずは OBS をダウンロード、インストールしていきましょう。
以下のサイトより Windows ボタンを押すとダウンロードが始まります。
ページが遷移すると同時にダウンロードが開始されていますね。
サイズは 70MB と少し大きめです。
ダウンロードが完了したらインストールを行います。
インストーラーに従って次に進んでいけば完了です。
規約はちゃんと読んでおきましょう。
インストール場所も選択可能です。基本はそのままでよいでしょう。
しかし、インストール後のサイズは 250MB 程度まで膨らむ形です。結構場所を取りますね。
これでインストールは完了です。
そのまま終了すると OBS Studio が起動します。
初めて起動する場合、自動構成ウィザードが立ち上がりますが、これを使う時はライブ配信サイトのアカウントが必要となります。今回はキャンセルしていきます。
ここまででインストールは完了です。
続いて Virtual Cam のインストールを行います。
Virtual Cam とは仮想カメラ機能です。この OBS で作った画像を配信ではなく仮想カメラに出力する。というわけですね。そのカメラ画像を Teams に読み込ませる。という考え方を取っていきます。
Virtual Cam は以下のサイトからダウンロードできます。
https://github.com/Fenrirthviti/obs-virtual-cam/releases
こちらも Windows-installer.exe を選べばインストーラーからインストールできます。
ライセンスは GNU ですね。
インストールか所を選べますが、これは OBS が入っている場所を選びましょう。
(初期選択がその形になっているかと思います。)
仮想カメラは最大 4つ まで選択することができるようです。
今回は 1つ で十分なので 1 を選択します。
これでインストールは終わりました。
念のため OBS Studio を再起動しておきましょう。
再起動後にツールメニューを見ると Virtual Cam の項目が表示されていました。
選択すると Start ボタンが。これを押しておきましょう。
特に反応はなく Stop が押せるようになるだけですが、これでカメラの準備は完了です。
あとはカメラに表示する画像を選んでいきます。
Teams 会議の観点ではウィンドウを見せることが大半です。
ソースの + ボタンを押し、ウィンドウキャプチャを選択しましょう。
ソースには名前を付けられますが、細かい制御はここでは省きます。新規作成のまま、 OK を押します。
ウィンドウのメニューで表示したい画面を選びます。
ちなみにソースで画面キャプチャを選べばデスクトップ画面全体の選択も可能です。
ここまでは Teams での画面共有と同じところですね。
ここからが本題です。続いて物理カメラの適用を行っていきます。ソースで映像キャプチャデバイスを選択しましょう。
同じように複数選ぶこともできそうですが、新規作成で OK を押しましょう。
デバイスを選択するとカメラの映像がプレビューされます。プレビューされたら OK を押してください。
あとは自由に配置します。
レイヤーの概念があるため、順番が逆になるとウィンドウに隠れてしまいます。その時はソースの上下ボタンでレイヤーの表示順を変更しましょう。
これで画面内にカメラ画像を映り込ませることができました。
ここまででやりたいことはほぼ完了なのですが OBS ではクロマキー機能(天気予報の時などの合成)があるため、それも紹介しておきますね。
カメラ画像を右クリックすると下の方にフィルタという項目が表示されます。それを押しましょう。
すると右に画像、左に 2つ の項目が表示された画面になります。
左下の + ボタンを押してクロマキーを選択してください。
背景色を緑などにしておくと合成が楽ですが、背景色をカスタム設定することも可能です。設定を終えたら閉じるボタンを押しましょう。
これで、特定色で合成が行えるようになりました。
やりすぎるとお化けですね笑
あとは Teams 側での利用です。
設定 - デバイスのカメラで OBS-Camera を選択してください。
このカメラが仮想カメラの名称となっています。
この状態で会議を開始すると、、、見事手元の画面は反転していますね笑
人は自分が映る鏡をみるものなので、反転させた方がわかりやすいということなのでしょうね。
この動きを理解していないと躓くことがあるので注意しましょう。
特に Teams 会議とプロジェクターへの投影を同じ PC で行おうとするとプロジェクター側の文字が読めなくなることがあるため要注意です。プロジェクター投影用にもう一台 PC を用意しておくのが無難でしょう。
以下は投影されたスマホから見た画像です。
ちゃんと文字が読めるようになっていますね。よかったよかった。
この機能、あくまでカメラの表示であって資料の共有ではありません。
そのためほかにカメラを使っている人がいるとそちらが優先表示されてしまうケースがあるので注意しましょう。
また、音声も通常マイクの状態になっているため、システムの音を取り込むことができません。
システム音はカメラと同様に仮想化することで対処できるため別途書いてみたいと思います。
一度手順を覚えれば簡単に合成できるので Teams 会議を行っている方はぜひ一度試してみてはいかがでしょう。
音楽:War Ship