Microsoft 365 SharePoint 検索機能に大きな変更が入るようです

本件、アナウンスされたときに見逃してしまっていたのですが、 2021 年 2月より SharePoint の検索機能にいろいろと変更が行われるようです。

https://techcommunity.microsoft.com/t5/microsoft-search-blog/we-re-making-changes-to-search-in-sharepoint-online/ba-p/1971119?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

中を見ていくと、 FAST Query Language の一部機能が使えなくなる旨が記されていました。

この FAST というのは、 SharePoint 2010 の Enterprise エディションに搭載されていた高機能検索エンジンのことですね。名目はアップデートとなっていますが EOS に向けて利用を収束させていきたいということなのかと思われます。

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また、検索用のクエリルールも一部利用ができなくなるようです。

正規表現やカテゴリーを利用したクエリーが使えなくなるみたいですね。

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流れとしては Microsoft Search に合流させることで検索を一本化するという意思の表れかと思います。

ユーザー的にもそのほうが結果が一元化されるという形で戻ってくるため良い方向なのではないかと推測します。

Microsoft Search に統合されていけば、 Web 検索もファイル検索もメール検索も同じように検索されてくるはずなので、癖を覚えることで情報にたどり着きやすくなのでしょう。

今では一般的になった検索される率の高いものを上部に表示するような検索の優先度の概念は FAST 検索が切り開いた分野でした。

時代の終焉を感じますが、より情報にたどり着きやすい環境を目指し、更新を行ってもらいたいですね!

音楽:You

Microsoft 365 Teams ライブキャプションに発言者が表示されるようになっていました

日本語ではまだ利用できるようになっていない Teams の機能の一つにライブキャプションというものがあります。
これは、会議の音声をリアルタイムに文字化してくれる、文字起こし機能です。
一応サービスの提供地域は英語圏となっているのですが、日本でも日本語でのキャプションを期待しなければ利用することができます。

この機能、また日本では利用がほとんどされていないと思うのですが、バージョンアップは着々となされているようで、いつの間にかしゃべった人の名前と画像が表示されるようになっていました。

ライブキャプションを利用するには、会議に参加した状態で三点リーダーをクリックしライブ キャプションをオンにするを押すだけです。

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この状態でしゃべると以下のように言葉とともに名前が出てきました。
もちろん英語をしゃべっていると認識されるので、日本語でしゃべるとめちゃめちゃな内容になってしまいますが、日本人の英語発音にはかなりきれいについてきてくれるようです。そのため、英語圏との会議で、しゃべった言葉が通じたかを確認するためのモニターとして使うのもよいかもしれません。

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なお、ライブキャプションと録画時のキャプションは使っているソリューションが異なるのか、結構違う解釈がなされるようでした。また、だれがしゃべったのかわからないところなど、ライブのほうが良い感じに仕上がっている感じがしますね。

録画のキャプションを表示するには、再生時に右下のCCボタンを押す必要があります。

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ライブキャプションの詳細な使い方は以下のサイトを参照するとわかりやすいと思います。

https://support.microsoft.com/ja-jp/office/teams-%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E3%81%A7%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96-%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%92%E4%BD%BF%E7%94%A8%E3%81%99%E3%82%8B-4be2d304-f675-4b57-8347-cbd000a21260?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

このライブキャプション、早く日本語対応になってほしい機能の一つですね!

音楽:フィヨルランド

Microsoft 2021 年のサポート終了プロダクトを確認しておきましょう

2020 年は Windows 7 や Office 2010 など、近年まれにみるサポート終了製品が集まった年でしたが、 2021 年はどういったプロダクトがサポート終了になるのか確認してみたいと思います。

https://docs.microsoft.com/en-us/lifecycle/end-of-support/end-of-support-2021?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

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大枠はこの 1 ページで収まってしまうのですが、 Windows 10 では 1809 すべてと1909 の Home/Pro が終了となってきます。
1809 はリリース時にファイルが消える問題が発生しました。これが契機となり今の Insider での長期検証につながっている大きな転換点となった OS でした。
もうサポートが終了するのかという感覚ではありますが、より安定している 20H2 への切り替えを迅速に行っていきたいですね。

Office 製品も Server 関連でサポート終了があります。 Office 2010 の Server 製品である SharePoint Server や Project Server と Lync Server ですね。

特に SharePoint Server は今の SharePoint Online にあるクラシックモードの基本構想を実現した最初のバージョンです。

それから 10 年、最近はモダンサイトの利用が増えてきたため、だんだんと出番が少なくなってきていますが、このバージョンの功績はかなり大きいものでした。
まだ現役で利用している方も多いバージョンではないでしょうか。残念ながらサポート終了が目前のため、早めにバージョンアップしていきたいところです。
Lynic も含め、このあたりのバージョンからバージョンアップが比較的簡単になっていたとおもいます。とはいえ、オンプレからオンラインへの移行は至極大変なのですが笑

サポート終了対応にかかるパワーは相応なので、早期に計画をたて、安全にバージョンアップしていくよう心がけていきたいですね!

音楽:is this LOVE?

Microsoft 365 特権をデバイスに付与することの重要性について述べられていました

2020 年最後の日、 Microsoft は SolarWinds の脅威に遭遇したことを告白しました。
が、それを逆手にとり、ゼロトラストネットワークの構築が進むと必要最小限の損失で済むことを証明しようとしているようです。

今回の脅威による被害は数件のアカウントの流出と一部のソースコートが読み取られるという事象で留めることができたみたいです。

ここで述べられている重要なことは 2 つの要素が入っているということです。

一つは、ゼロトラストとしてネットワークを信用していないため、問題の発生個所を特定するためのログや監査証跡が十分に取られていたこと。

もう一つは、 IT 管理の観点で特別な権限が分離管理されていたことに依る、さらなる流出を防げていた。ということです。

この詳細は以下のブログを読んでいただくとして、今回はその先にある、 PAW (特権アクセスワークステーション)の概念についてみていきたいと思います。

https://msrc-blog.microsoft.com/2020/12/31/microsoft-internal-solorigate-investigation-update/?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

PWA の概念は以下の docs に詳しく書いてありますが、そこで提示されている図が分かりやすかったので引用します。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/security/compass/concept-azure-managed-workstation?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

今回の件では、重要なソースコードへの権限を書き込みと読み込みの 2 つにわけで述べられているのですが、実際は Github などを利用しているのでしょうから、読み取り、書き込み、コミットの 3 つの権利に分かれていたのではないかと想像します。
その 3 つを思い描きながら以下の図を見てみましょう。

Enterprise :読み込み、 Specialized :書き込み、 Privileged :コミットとしてみると、どういった守り方がなされていたのかわかるかと思います。

今まで日本では、組織の内外の 2 つのパターンを意識し、画一的に端末を提供していることが多いと思われますが、 PAW の考え方では、それぞれの役割に応じた端末を用意するという徹底をおこなっている。という形です。

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この考え方はなにも物理マシンを用意する必要はなく、物理で配るものは Enterprise として用意し、 Specialized や Privileged は WVD などの仮想環境として用意するという考え方も取れますよね。

さらに、この docs には Privileged に対するテンプレートとなる設定値が書かれています。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/security/compass/howto-azure-managed-workstation?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

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この内容を見ながら PAW を設定していくことができるというわけですね。
さらには設定をスクリプト化したものが Github で配布されています。

https://github.com/Azure/securedworkstation

こちらは Enterprise と Specialized も配布されているので、よりイメージが付きやすいかもしれません。

やはり今年の一大テーマと思える ID や端末のセキュリティ。もっと幅広く確認をしていく必要がありそうですね!

音楽:New Moon

Microsoft 365 役割機能を利用して権限の最小化を行いましょう!

Microsoft 365 は様々な機能が搭載されており、それらを一元で管理することができる Microsoft 365 管理センターという機能が提供されています。

https://admin.microsoft.com/AdminPortal/Home#

この管理センターに「役割」というロールを管理する機能が提供されているのはご存じでしょうか?

役割では、 Exchange  管理者や SharePoint 管理者など主要な機能を制御できる権限を定義しており、それぞれの役割に応じた作業のみが行えるように設定することができるのです。
例えば、 Microsoft 365 を扱うことのできるユーザーは人事部が管理し、メールを使うユーザーは IT 部門が管理するというような区分けを行う際に利用できます。

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この役割機能ですが、いつの間にか面白い機能が搭載されていたので改めて紹介しておきたいと思います。

まず、名称をクリックした際に表示されれるメニューを見ていきましょう。

【メニュー】

3 つのタグに分かれ、概要と役割を設定されたユーザー、そして役割に定義されているアクセス許可を見ることができます。

ざっと見る限りは概要はほぼ日本語化されており、どのような役割が存在するのかは簡単に確認ができる状態でした。 2021 年 1 月時点で 53 個もの役割があるため、わかりやすくなっているのはとても良いですね。

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権限の追加は隣のタブから行います。
ここではユーザーの直接設定を行う形になっており、 Microsoft 365 グループやセキュリティグループ、配布リストなどは選ぶことができませんでした。ただし、なぜか会議室などの非ユーザーのオブジェクトは選ぶことができるので、実際の設定時は注意しておく必要がありそうです。

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最後にアクセス許可を見ていきます。
ここはほとんど日本語翻訳がなされていませんでした。
が、難しい単語はないので見れば何を言いたいのかは大概わかるかと思います。
問題はその許可された内容は実際にどの画面のどの機能を指しているのかわからないところです。。。

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そのわかりにくいアクセス許可で何ができるのか、簡単にチェックするための機能が Run As として新たに実装されています。

これはかなり面白い機能で、コマンドプロンプトにおける runas と同じような動きをします。試しに役割を選択して Run As ボタンを押してみましょう。
Run As ボタンは 1 つの役割を選択した後に、役割一覧の上部に表示されます。

【Run As】

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実行すると 管理センターのトップ画面に戻され、上部に別ユーザーとして実行している旨が記されます。この時点では特定のユーザーに役割を設定しておかなくてもよいため、アクセス許可のプレビューとして利用することができそうです。

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例えば Exchange 管理者として Run As した場合、扱える管理センターは Exchange だけに限定されたのが分かります。 

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ちょっと残念なのは Microsoft 365 管理センターにアクセスできない役割で Run As を行ったときですね。当然ですが、権限なしでアクセスできません。
この役割には Azure のサイトにアクセスする権利を制御するようなものもあるため、子のリダイレクトされる先の制御は今後に期待したいところです。

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役割の画面に戻り、複数の役割を選択してみましょう。 
すると、画面上部に Compare roles というボタンが表示されました。
これを押すとそれらの役割の差を表示してくれます。最大 3 つの役割を比較することが可能です。

【Compare roles】

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アクセス許可は英字なので少しわかりにくいですが、それぞれの役割にどういった差があるのか、一目瞭然となるため何が行える役割なのかわからなくなったら、よく使うものと比較してみるとよいかと思います。
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現在日本語化が進んでいる最中のようなのですが、今後の内容更新に期待したい機能ですね!

音楽:Go Dark

Microsoft 365 朝礼メール機能が展開されていました

最近は Microsoft 365 の機能がどんどん増えていて、正直なところ追い切れていないことも多いのではないかと思うのですが、そのうちの一つである Briefing メール(朝礼メール)を見てみたいと思います。

今回この機能に気が付いたのは、管理センターからサービスをみていて、 Briefing 件のメールという直訳チックな項目を見つけたことから始まっています。

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なんだろうとみていったところ以下の docs にたどり着きました。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/briefing/be-overview?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

簡単に説明すると、会議前に会議に臨むための材料を用意するリマインドをメールしてくれる機能になるようです。

朝礼と訳してみましたが、ブリーフィングとそのままのほうが分かりやすかったかもしれませんね。

この機能を利用すると、会議の 2 時間程まえに通知を行ってくれるようです。
通常の通知と異なるのは、会議向けに資料を準備せよ。といったタスクベースの案内が行われるとのこと。

利用開始の 2 週間前に以下のメールが送付されてきて下準備を行う流れになっているようです。

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ただ、この機能はまだ日本では利用できないようで、、、
英語圏は 2020 年 10 月からプレビューが始まっているのですが。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/briefing/be-admin?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

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今後の会議に対する心構えを変えてくれそうなこの機能、早く日本でも利用できるようになってほしいですね。

音楽:サードワルツ

Microsoft 365 メッセージセンターの UI が少し変更されました

Microsoft 365 のメッセージセンターには新しく提供される機能やちょっとした障害の情報などが提供されてきます。

ここを見ていれば Microsoft 365 の詳細が分かるようになっているのですが、サービスの列にアイコン付きのアプリ名が表示されるようになり、若干ではありますがわかりやすく更新されていました。

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右側を見ていくと、タグも設定されていて、簡単にフィルタリングできるようになっていました。

フィルター可能なタグは今のところ 6 種となります。

それぞれデータ プライバシー、ユーザーへの影響、管理者への影響、機能の更新、重大な更新、新しい機能ですね。

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特にチェックしておく必要がありそうなのは、タグでは重大な更新、列の中にある対応期限が設定されているもの。最低限この 2 点は抑えておく必要がありそうです。

ここで発信されているメッセージは数がなかなか多いため、管理が大変です。
そういったケースで役に立つ、☆マークの列を活用したお気に入り登録も覚えておくとよいかもしれません。特に重要な案内などは 1 年越しの案内になるケースもあるため、重要な情報を忘れないようにしておくことが必要です。最近は情報の Update が行われることも多くなっており、必須ではなくなってきてはいるのですが、覚えておくとよいでしょう。

また、メッセージセンターはすべてが英語表記となっています。
日本語で確認したい場合は、左側のメニューからメッセージセンターに入り、アカウントの言語に自動翻訳をオンにしておくか、都度 Edge などの翻訳機能を利用しましょう。

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更新が多い Microsoft 365 を有効に使うためにも、メッセージセンターの使い方には慣れておくとよいでしょう。

音楽:Early Bird