Office365とWindows10の相互利用について

Inspireで発表されたように、Windows10とOffice365、EMSを組み合わせたMicrosoft 365という構想が今後のマイクロソフトの製品群の考え方の中心になってきます。

この方針の発端は今期の方向性である「デジタルトランスフォーメーションの加速」が軸となっているかと考えられますが、日本ではまず働き方改革推進が中心となるのかと思われます。

デジタルトランスフォーメーション - Wikipedia

そこで、Microsoft 365を利用したときに、どういった点で働き方を変えていくことができるか考えてみたいと思います。

 

 まず、働き方改革という言葉は首相官邸ホームページで定義されています。

働き方改革の実現 | 首相官邸ホームページ

長時間労働の減らし、賃金格差をなくし、ライフプランに合わせた仕事の選択をできるようにする。という目標に、国を挙げて取り組んでいくという内容です。

この中で、現在のITで取り組みやすい箇所は、やはり長時間労働の抑制でしょう。
例えば、打ち合わせをフェイスツーフェイスから電話会議、Web会議へと変更していくことで、「集まる」ための時間を抑制し、労働従事時間を減らす。などがよく取り組まれる内容です。

また、電子メールもITでできることの一つですね。従来は郵便局に行き、配達をしてもらい、相手に届く。という途方もないコストがかかっていましたが、電子メールを使うことでこれらの時間を限りなくゼロに近いところまで減らすことができました。
この辺りはOffice365が強いゾーンで、それぞれ、Skype for Business、Exchange Onlineという製品群でカバーしています。

もう少しさかのぼると、電子メールを書いて送る。手紙を書いて送る。という行為の中にある、「書く」というところもITで時間短縮できるようになった点ですね。

初期の「書く」は墨を擦って紙に書く。間違えたら最初から書き直し。でした。
それが、鉛筆というもので、消しゴムで消しつつ書いていくことができるようになり、
PCでタイプすることで書く消すが自由にできるようになったのが現在です。

今では漢字変換も単語変換から文節変換になり、スペルチェックが行えるようになり、インターネットから最新の字句を持ってくるところまで来ました。

このユーザーとITの接地点についてはWindows10が担う部分です。Windows XPなどの時代から比べると、文字変換の精度がかなり高くなった印象があります。
また、これからも進化を続けていく。というスタイルが今後の継続的な成長を支えていくのかと思われます。

さらにこれらを包括しつつ、スマートフォンやモバイルPCなどに対しID制御・端末認証を用いてセキュアなデータのやり取りを実現するEMS。スマートフォン・モバイルPCを利用すると場所にとらわれず作業を行うことができます。場所に縛られなければ、最初に述べた移動コストをさらに最適化することができます。

こういった事象一つ一つに施策展開前と施策展開後の定点観測と目標設定ができればよいのでしょうが、イチゼロの形で改善!という判断が難しい内容なのが取り入れが難しい一因なのかなと感じたりします。

Microsoft365の販売を進めるときには、ぜひ事例などで効果と計測方法を展開してくれないかなぁ。マイクロソフトさん(笑)

音楽:Forever Broke

Office365 Presentation Translatorのインストール

Build2017でお披露目されていて、de:codeではデモに到達できなかったPresentation translatorですが、一般公開が始まりました。

【Presentation translator】

https://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=55024

Presentation translatorとは、PowerPointのアドインでプレゼン資料に字幕を付けてくれる機能です。先日ちょっとなってほしいな的に記載した、Azure Serviceをアプリに組み込んだ形の提供です。(本当は、こういったソフトが出たうえでAzureでService公開してほしいんですけどね)

早速インストールを進めてみます。

まずはダウンロード

f:id:mohessu:20170721015312p:plain

こんなファイルがダウンロードされます。
PresentationTranslator.exe

スプラッシュがMSっぽくないですね。ちょっとカッコよい!

f:id:mohessu:20170721015737p:plain

各種ランタイムが入っていない場合はインストール時に追加されます。

f:id:mohessu:20170721015815p:plain

3分程度で設定もなく、インストール完了となりました。

f:id:mohessu:20170721020208p:plain

次にPowerPointを起動しましょう。

対応するPowerPointは2013以降となります。
起動させてプレゼンを表示しただけでは何も変化はありません。F5を押して、プレゼンを開始してみましょう。

アドインが動作しました!

字幕を開始させましょう

f:id:mohessu:20170721021804p:plain

注意事項が表示されました。月100時間までの制限があるようです。

f:id:mohessu:20170721021928p:plain

ここからはチュートリアルが開始されます。

f:id:mohessu:20170721022137p:plain

f:id:mohessu:20170721022212p:plain

f:id:mohessu:20170721022243p:plain

これでチュートリアルは完了です。

言語を設定して、トランスレーションスタートです。

f:id:mohessu:20170721022441p:plain

ちなみに追加設定は以下内容です。

f:id:mohessu:20170721022536p:plain

プレゼンテーションが始まると、以下画面が表示されるようになるようです。

f:id:mohessu:20170721022604p:plain

 

同時に翻訳枠が表示されるようになりました。この枠に翻訳が表示されるようです。

f:id:mohessu:20170721023036p:plain

三点リーダーには設定が隠れています。

f:id:mohessu:20170721023148p:plain

マイクや字幕サイズの設定ですね。

f:id:mohessu:20170721023220p:plain

実はスライドショーリボンにMicrosoft Translatorという項目ができていました。
これが本体ですかね。
スライドも翻訳にかけられるようです。

f:id:mohessu:20170721023438p:plain

翻訳可能言語はかなり種類豊富でした。

翻訳した情報は別ファイルにPPTXとして保存されます。

f:id:mohessu:20170721024259p:plain

 いや、翻訳の質はTranslatorとして十分なのですが、この技術をPowerPointに含めた感覚がすごいですね。

こういった機能はWordやOneNoteでも有用かと思います。ぜひほかのOffice製品でも利用できるようになっていってほしいですね。

音楽:After in the Dark

Office365 グループ 所有者の人数が100人までに増加されます

Teamsがリリースされてから、Office365Groupの活躍の場が多くありましたが、所有者を10人までしか設定できず、柔軟な利用ができなかったというケースがあったかと思います。

今回の更新でなんと一気に100人まで同時に所有者に設定できるようになりました。

今回は私のテナントでも設定できるようになっていました。
Office365グループの登録方法と合わせて紹介させていただきます。

まず、Office365グループを作成する場合は管理センターから実施するのが簡単かと思います。TeamsやSharePoint、OWAなどからも作成することができますが、今回はかんりせんたーから。

f:id:mohessu:20170720013308p:plain

まずグループの種類を選択します。ここでOffice365グループを選択します。

f:id:mohessu:20170720013417p:plain

表示名を決定します。

f:id:mohessu:20170720013508p:plain

グループIDを設定します。IDはそのままメールアドレスとしても利用するため、わかりやすいものを選んでおきましょう。入力すると、すでに利用済みかどうか確認も行ってくれます。

f:id:mohessu:20170720013542p:plain

どういったグループなのかの説明を記入します。

f:id:mohessu:20170720013627p:plain

権限の扱いを決めます。後から変更はできませんので注意して決めましょう。

f:id:mohessu:20170720013700p:plain

各種メールの言語を決定します。並び順の問題かと思いますが、アラビア語みたいな文字が多数並んでいます。かなり多くあったので驚いてしまいました汗

f:id:mohessu:20170720013757p:plain

最後に365グループ宛のメールのコピー実施有無と所有者の選択です。

所有者は作成時に1名、編集実施で100名まで増やすことが可能となっています。

f:id:mohessu:20170720015441p:plain

配布リストからOffice365Groupへ移行できない。などというケースがあったと思います。これで内部ユーザーだけで構成される場合は、Office365グループを配布リスト代わりに利用することができるようになりますね。

配布リストは社外ユーザーを含むアドレス用。という割り切りをすることで、ユーザーにより安全な形で利用してもらうことができるようになると思われます。

音楽:Cloe

Microsoft EdgeとOfficeOnlineの連動

最近、MVPの特典を有効活用しようと思い、Office365 E3からOffice365 Proplusを導入してみました。
恐れくそれが原因なのですが、Microsoft EdgeにOffice Onlineボタンが表示されるように!

【右上にOffice Onlineのマークが表示されるようになりました】

f:id:mohessu:20170716155645p:plain

ボタンを押下してみると、ログイン画面が。

f:id:mohessu:20170716155816p:plain

フェデレーションなので、どの機能にアクセスさせるか選択する画面が出てきます。
見ての通り、基本的には表示系のけんげんを与えることとなります。

f:id:mohessu:20170716161936p:plain

ログイン後は最近利用したドキュメントが表示されます。

f:id:mohessu:20170716160129p:plain

とはいえ、まだまだInsider Previewとの相性が悪いのか、急にEdgeが落ちたりしますね。

【Office Onlineボタンを押下したとき】

f:id:mohessu:20170716164008p:plain

【Word Onlineで新規にOfficeドキュメントを作成したとき】

f:id:mohessu:20170716164109p:plain

Edge側の問題だと思いますが、アプリが停止した。などの情報なく停止してしまうのは少し困りものですね。Windows98 時代のカーネルとアプリ部分の結合が強かった時代を思い起こします。(笑)

アプリとアドインの分離境界は今後の課題になるのでしょうかね。
分離を進めすぎるとかゆいところに手を届かせられなくなる。という弊害もあるのかと思いますが、ぜひこの辺りは改善が進んでいってもらいたい領域です。

音楽:Black History

Office365 OneDriveの新機能が取り上げられています

OneDriveのブログを読んでいたら、画像検索機能が強化されつつあるという記事を見つけました。

【techcommunity OneDrive Blog】

Digitize your work place one photo at a time with ... - Microsoft Tech Community

なんでも、OneDrive for Businessのファイル検索機能を用いてホワイトボード、黒板、名刺などを検索できるようになるとのこと。

現在は展開中のようで、まだ私のテナントでは有効化されておらずでした。

このブログの紹介から察するに画像解析を行い、分類を決めているようなのでCognitive Serviceを利用した機械学習の一つとしてうごいているのでしょうか。
Azure側も、もう少しこういったマイクロソフト内のサイトで利用されている機能をCognitive Serviceとして提供している感を出していもらえると、食いつきがよくなると思うのですが、、、

いずれにせよ、私のテナントで利用できるようになりましたら、細かな動作検証を行ってみたいと思います。

音楽:Dance of Curse

Office365 SkypeOnlineの管理ツール

最近SfBの管理センターを触っていなかったのですが、いつの間にやら通話の分析が行えるようになっていたようです。

Skype for Business管理センター】
下部2項が通話系の項目となっています。

f:id:mohessu:20170717212227p:plain

【通話品質ダッシュボード】

https://cqd.lync.com/spd/#/Dashboard?language=ja

f:id:mohessu:20170717212426p:plain

数が多く見にくいかもしれませんが、以下の項目を表示することができます。

全体的な通話品質

 

  • オーディオ ストリームの月間トレンド/日次トレンド
  • サーバー/クライアント間の月間トレンド/日次トレンド
  • クライアント間の月間トレンド/日次トレンド

サーバ/クライアント間

 

有線(内部)

 

  • 有線 (内部) の月間トレンド/日次トレンド
  • 有線 (サブネット内)
  • 有線 (建物内)

 

有線(外部)

 

  • 有線 (外部) の月間トレンド/日次トレンド
  • 有線 (サブネット外)
  • 有線 (建物外)

 

Wi-Fi(内部)

 

  • Wi-Fi (内部) の月間トレンド/日次トレンド
  • Wi-Fi (サブネット内)
  • Wi-Fi (建物内)

 

Wi-Fi(外部)

 

  • Wi-Fi (外部) の月間トレンド/日次トレンド
  • Wi-Fi (サブネット外)
  • Wi-Fi (建物外)

 

クライアント間

有線(内部) - 有線(内部)

 

  • 有線 (内部) - 有線 (内部) の月間トレンド/日次トレンド
  • 有線 (内部) - 有線 (サブネット内)
  • 有線 (内部) - 有線 (建物内)

 

有線(内部) - 有線(外部)

 

  • 有線 (内部) - 有線 (外部) の月間トレンド/日次トレンド
  • 有線 (内部) - 有線 (サブネット外)
  • 有線 (内部) - 有線 (建物外)

 

有線(外部) - 有線(外部)

 

  • 有線 (外部) - 有線 (外部) の月間トレンド/日次トレンド
  • 有線 (外部) - 有線 (サブネット外)
  • 有線 (外部) - 有線 (建物外)

 

有線(内部) - Wi-Fi(内部)

 

  • 有線 (内部) - WiFi (内部) の月間トレンド/日次トレンド
  • 有線 (内部) - WiFi (サブネット内)
  • 有線 (内部) - WiFi (建物内)

 

有線(内部) - Wi-Fi(外部)

 

  • 有線 (内部) - WiFi (外部) の月間トレンド/日次トレンド
  • 有線 (内部) - WiFi (サブネット外)
  • 有線 (内部) - WiFi (建物外)

 

音声品質のSLA

利用にあたっては、この内外を判断するための基準となる建物情報をOffice365に登録する必要があります。

フォーマット情報は以下を参照していただくのが良いかと。

Turning on and using Call Quality Dashboard in Skype for Business Online - Office Support

f:id:mohessu:20170717215656p:plain

50MB以下のCSV、TSVでヘッダなし。

以下14項目を持ったファイルとする必要があるようです。なお、最初の3つと最後の2つ以外はグルーピング用の項目のようなので、必須入力とはなっていないようです。

  • IPアドレス帯域(192.168.0.0の形式)
  • ネットワーク名
  • IP幅(IPアドレス帯域に対するサブネットマスク値?)
  • ビル名称
  • ビルオーナー名(会社名?)
  • ビル種別(事業部名?)
  • ビルオフィス種別(部門名?
  • 都市
  • 郵便番号
  • 州(県)
  • リージョン名
  • 社内フラグ(社内が1)
  • ExpressRoute利用フラグ(利用の場合1)

 

【通話分析】

https://adminportal.services.skypeforbusiness.com/analytics/home

ユーザーごとに通話の分析が行えるようです。

f:id:mohessu:20170717212305p:plain

サイトデータとして利用するファイルは通話品質ダッシュボードと同じものとなります。

f:id:mohessu:20170717212632p:plain

権限が2通りとなっており、第1階層と第2階層で見せる範囲が異なるようです。

こちらの詳細は以下サイトに。

Set up Skype for Business Call Analytics - Skype for Business

第1階層は名前程度がわかるのですが、第2階層はIPなどの品質をチェックするための情報が表示可能となるようです。接続元電話番号や会議内容は閲覧不可となっており、セキュリティ上は管理者といえども一定の状況下となるよう配慮されていますね。

f:id:mohessu:20170717212739p:plain

個人的にSfBはあまり触ってきていないこともあり、詳細までイメージが落ちていないのですが、SIPの品質を図れるのは使い道がありそうな予感がします。
日本の音声通話網はNTTが整備しつくしているので、あの品質には太刀打ちが難しいですが、実用できるかどうか。という点においては何とかなる領域だと思っています。
是非SfBでの通話が現実的なレベルまで発展してくれることを願います。

音楽:Girls rule

 

Windows 10 Build 16241の続き

Insider Preview Build 16241の続きです。

タスクマネージャのGPU表示が各項目ごとに表示されるように変更されています。
Build16237で変更されたばかりでしたが、さらに変更が加えられ、3D、Copy、Video Decode、Video Processingの4項を同時に表示できるようになりました。
というか、4項目同時に表示できるようになり、表示可能な項目は自分で変更することができるようになりました。この表示項目は、再表示の度に初期化されていたので一時的に見る程度で利用するものなのかと思われます

なお、前回まであった専用GPUメモリ使用量は表示がなくなっています。

【Build16237の表示はこちら】

Windows 10 Build 16237の続き - ()のブログ

【Build16241の表示】

f:id:mohessu:20170716221433p:plain

 

ほかにもFluent Design Systemのアクリル表示のノイズが軽減されたとのこと。
ただ、これは画像化した時点で見栄えが変わるでしょうからぜひ導入して見てください。

また今回のBuildでは、アクションセンター関連は微妙な動作となるようです。

アクリルが効かなかったり、スケーリングが100%を超えた場合、ポイント位置とクリックしている場所のイメージがずれるようです。

【アクションセンターではアクリルが効きません】

f:id:mohessu:20170716223645p:plain

【カレンダーではアクリルが有効です】

f:id:mohessu:20170716223621p:plain

【カーソルとポインタの関係】

Fluent Design SystemのLightが示してくれていますが、ボタンが押せません。
システム-ディスプレイから

f:id:mohessu:20170716223952p:plain

【システム-ディスプレイの拡大縮小とレイアウトでサイズを100%に戻してから元の値に変更するともどります】

f:id:mohessu:20170716224304p:plain

【元に戻りました】

f:id:mohessu:20170716224542p:plain

 

更にWindows Updateの配信についての詳細オプションが追加されています。

【設定-Windows Updateの詳細オプションに入ります】

どんどんボタンが積み重なったのだと思いますが、位置が微妙ですよね。

f:id:mohessu:20170716224854p:plain

【詳細オプションに配信の最適化項が出ます】

ここまでは今までもあったと思います。

f:id:mohessu:20170716225120p:plain

【配信の最適化に詳細オプションとアクティビティモニターが追加されています】

f:id:mohessu:20170716225217p:plain

深すぎて何の詳細なのかわからなくなりそうですが、帯域制限とファイルのピアツーピアアップロードの通信量制限が行えます。あまり意識していませんでしたが、インターネット上のPCとセッションを張るんですね。企業向け利用時は調整が必要な項となりそうです。導線的に戻るリンクはなく、左上の矢印から戻るほかないのは修正が入るでしょうか。

f:id:mohessu:20170716225349p:plain

f:id:mohessu:20170716225400p:plain

アクティビティモニター】

ひと月の間(1日から末日まで)でWindows Updateのダウンロード、アップロードについて統計がとられるようです。

f:id:mohessu:20170716225806p:plain

f:id:mohessu:20170716225828p:plain

意外とWindows Updateページから以外にインターネット上のキャッシュからデータを取得することも多くあるようですね。どうあるべきかは時代背景もあるのかと思いますが、この辺りは容易な制御を期待したい内容です。

音楽:暉映の戦場