Office 365 ExpressRoute のトラフィックについて

コロナの影響から在宅勤務が増えている昨今ですが、 Office 365 のような、どこからでも操作可能なシステムへの認知度が急激に上がっているのかと思います。

そんな Office 365 ですが、 ExpressRoute という安定した通信が可能な経路が帯域保証の形で提供されているのはご存知でしょうか。

Office 365 の ExpressRoute は一般的に言われている専用線とは少し異なっており、 Office 365 経路の一部に対して、低遅延や高トラフィックを保証するサービスとなります。一部というのがミソで、 ExpressRoute を引いただけでは Office 365 のサービスを利用することがはできないのです。

以下にちょうどいいイメージ図があるので確認してみるとよいのですが、 Exchange 、 SharePoint 、 Teams といった主要なアプリのみがこの帯域を利用することができ、 ログインのための認証や DNSCDN といった低遅延を必要としない通信は通らない仕組みとなっているのです。

https://docs.microsoft.com/en-us/office365/enterprise/routing-with-expressroute

f:id:mohessu:20200422013700p:plain

この経路に対応した IP 、ホスト名は以下アドレスにあるマッピング表を見るとわかるようになっています。(時々変わるので、時折チェックすることが重要です。)

https://docs.microsoft.com/ja-jp/office365/enterprise/urls-and-ip-address-ranges

このマッピングですが、 ExpressRoute に抜けるもののうちの一部の URL が非対応となっていたり、その逆があったりするので、この辺りの意識も忘れないようにしておく必要があります。具体的には以下のようなケースです。

microsoftonline.com は ExpressRoute 対応 URL なのですが、 click.email.microsoftonline.com は非対応という形ですね。

f:id:mohessu:20200422013128p:plain

逆に office.com という ExpressRoute 非対応 URL の中に ExpressRoute 対応の outlook.office.com というアドレスが隠れているケースもあります。

f:id:mohessu:20200422013630p:plain

これらの動きを意識し、うまく経路設計をしなければならないので ExpressRoute 敷設時は注意しておきましょう。

音楽:Main Theme