ある程度の規模の組織でネットワーク管理を行っていると、クラウドの利用を推進する側の方と軋轢が生まれるケースが良くあります。
これは、厳格に管理して無限にあるわけではないネットワークリソースを最適化しようとする管理側と、新機能を導入して少しでも生産性を高めたい側の相反する要望によるものなので仕方がない面があるのですが、特に Microsoft 365 は利用するアドレス帯を細かく開示しているにも関わらず細かいことはわからないようになっているためやきもきすることが多い仕組みとなっていました。
といっても、宛先ポートと IP アドレス帯が示されているため大概はこれで事足りるのですが、優先度をつけたい場合などにはこれだけでは足りないケースもあるんですよね。
そんな中では今回の更新案内が役に立つのかもしれません。
2024 年 10 月上旬をめどに Teams の利用する UDP ポートの範囲が今までのどこを使うかわからないという仕様から、特定の範囲を絞りやすくなる更新が入るようです。
ミュート/ミュート解除、保留、参加者の追加、リアクションなどの機能を提供する通話と会議のシグナリング API が利用していた UDP ポート 49152-65535 を大きく絞り込み、 UDP ポート 50070-50089 のみを利用するように更新されるようです。
このポートに Quality of Service (QoS) を設定しておけば保留などの動作がうまく動かない(パケットデータが棄却される)ケースが発生しにくくなるはずです。
ただし、ほかのケースにおいてこのポートだけが利用されるとは述べられていないので、フィルターをかけて通信を遮断するようなことはやめましょう。
全体像は以下の Learn にまとめられているため、これにあった内容を設定しておくということは忘れないでください。
通信の優先度を上げることができるというだけの話なのですが、これが行えることで発生する組織内ネットワークに対するクレームも減るケースがあるはずなので、うまく活用して最適な Teams 利用を目指していきたいですね!
音楽:ALFA and OMEGA