Microsoft 365 Azure AD Connect のアップグレードを行いましょう

Azure AD Connect を自動アップグレードにしている方は多いと思いますが、最近私の環境でこの自動アップグレードが行われていないことに気が付きました。

なぜかなといろいろ調べていたところ、どうも最新バージョンは自動アップグレードに対応しておらず、さらに旧バージョンは 2022 年 8 月 31 日付で廃止されることが述べられていました。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/active-directory/hybrid/whatis-azure-ad-connect-v2?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

というわけで手動アップグレードが必要な状況なのですが、まずは自身のバージョン情報を見ておきましょう。

設定アプリのアプリと機能より Microsoft Azure AD Connect を見てみましょう。

項目を開くとバージョンが 4 つ区切りで表示されました。

最初が 1. で始まっているものは古いバージョンです。ここが 2. から始まっていれば対応は不要です。

まずは Azure AD Connect をダウンロードします。

以下のアドレスからダウンロード可能です。 Details を開くと 2. から始まるバージョンになっていますね。

https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=47594

ダウンロードしたら AzureADConnect.msi を起動しましょう。

するとアップグレードモードとして起動します。これはインプレースアップグレードのケースとなっており、ほかにスウィング移行という方法もあります。(後述しますが、もしかすると内蔵データベースを利用している場合はインプレースアップグレードではなくスウィング移行を行う必要があるかもしれません。)

アップグレードボタンを押していきましょう。

Azure AD への接続が最初に必要となります。

ユーザー名とパスワードを入力して次へいきましょう。

MFA を設定している場合はサインイン画面が表示されました。
いちいち Azure 上でアプリを作りパスワードを与えなくてもよいのでこれはありがたいですね。

あとは最終確認してアップグレードボタンを押すだけです。

データが少なかったからか、完了まで 10 分程度でした。

最後に設定アプリでバージョンをチェックしてみましょう。

2. から始まるバージョンに変わりましたね。

Microsoft 365 管理センターからもチェックしてみます。
こちらも 2. から始まるクライアントバージョンになりました。

ここからが先に後述するといった点なのですが、内蔵 DB を利用七ている場合この時点で SQL Server 2019 がインストールされました。

以下はアップグレード前です。

インストール後はこんな感じになります。

ここでの問題点は SQL Server 2012 Express が残っている点です。

Azure AD Connect の構成画面を開き、現在の構成の表示またはエクスポートを押し下部にある SQL Server 名と SQL Server インスタンス名を確認して接続してみましょう。

確認は内蔵 DB に付属されていた SQLCMD を活用します。

以下のコマンドを実行します。

cd "C:\Program Files\Microsoft SQL Server\110\Tools\Binn"
SQLCMD.EXE -S "(localdb)\.\ADSync"

-S の個所は上記でチェックした SQL Server 名とインスタンス名ですね。

実行したら以下の Query を起動します。

SELECT    SERVERPROPERTY('ProductVersion') AS ProductVersion
GO

結果、やっぱり 11 ( SQL Server 2012 で動いていますね。。。)

念のためタスクマネージャーでプロセスを確認してみたのですが、 2012 を指していました。

さらに厄介なことにこの内蔵 DB は Azure AD Sync サービスに紐づいているようで、単独起動やインスタンス名の変更は行えませんでした。

以下の Azure AD Connect の DB を使いまわすインストールを見ても内蔵 DB では使いまわしもできないとなっています。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/active-directory/hybrid/how-to-connect-install-existing-database?WT.mc_id=M365-MVP-5002496#prerequisite-information

うーん、 SQL Server 2012 の EOS が訪れる前にこの問題を解決しないとまずそうですねぇ、、、

音楽:来し方