Microsoft 2020年の延長サポートへ移行する製品を見ていきましょう

前回までに 2020 年に EOS となる製品群を確認していきましたが、今回は延長サポートへ移行する製品を見ていきたいと思います。

https://support.microsoft.com/en-us/help/4470235/products-reaching-end-of-support-for-2020

この URL の下部に記されている内容ですね。

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延長サポートというのは、メインとなるサポートを終え、セキュリティアップデートを中心としたサポートを指します。
延長サポートとなると、 MSDN 特典などの無償サポートの範囲から外れるので、そういった点も注意しながら運用していく必要があります。

https://www.microsoft.com/ja-jp/services/professional-supportqa.aspx

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まず 1 月は Dynamics 2015 関連が延長へ移行していきます。

Dynamics も Office と同様に 365 としてクラウドの流れにある製品なので、次期バージョンがあるものの、クラウド移行を検討していく必要があるでしょう。

https://dynamics.microsoft.com/ja-jp/

4 月には Cloud Platform System が延長サポートに入ります。
耳慣れない言葉ですが、 Azure Stack の前身というとピンとくる人がいるかもしれませんね。

同時に UE-V も延長に入ります。
UE-V は Windows の SA 特典となっている MODP というプログラムの一つです。
これを利用すると、 VDI などで構築された複数のクライアント間でユーザー設定を同期できる仕組みです。移動プロファイルにメモ帳設定や壁紙設定を持っていけるようになると思えばわかりやすいかもしれません。
現在は MODP から離れ、 Windows 10 Enterprise の一機能になっているため、利用はしやすくなっているのですが、用意する環境の割に効果が薄いためか、あまり使っているところを見ない気もします。

7 月には StorSimple が延長となります。
StorSimple は Azure の領域をオンプレに持ってくるキャッシュのような役割をしてくれるサーバーです。

コンセプトが面白かったので、個人的に好きなのですが、残念ながらハードウェアの新機種はリリースされていない状況です。
その代わり、ソフトウェアで実現する Azure File Sync というものがあり、これは Windows Server 2012 R2 / 2016 / 2019 で利用することができます。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/files/storage-sync-files-planning

最後に 10 月の延長化は大量にあります。
まず、 Office 2016 群となります。 Office 2016 の延長サポートは通常運行ですが、 Office 2019 の延長サポートが短く、 Office 2016 と同日に切れるため、移行するなら Office 365 ProPlus となることを忘れないようにしておきましょう。
Windows 10 Enterprise 2015 LTSB も延長サポートになります。
LTSB の場合、そもそも更新なしがうたい文句なので、製品サポートが受けにくくなることが大きな点となりますね。

延長サポート突入はちょっと軽視される感があるのですが、運用においては大きな点だと思います。
自社内の IT 戦略とともに、どういった方向性にしていくか、十分検討していきたいところですね。

音楽:Spirit of place