いきなりですが、皆さんLEDBATはご存知でしょうか?
Low Extra Delay Background Transportの略で、TCPの実装なのですが、要約すると空いている帯域を使ってデータをやり取りするための方法です。空いている領域を利用する。と聞くとQoSなどが思い浮かびますが、QoSでは事前に設定したIPパケットの優先度で制御されていました。事前予約のケースという感じですね。
このLEDBATというのは逆に特定のポートに来るトラフィックを優先度低と決めつけることでフォアグラウンドのトラフィックを確保していこうという設定となっているようです。
詳しい話は以下を参照いただくとわかりやすいと思います。
以下図は抜粋ですが、右側のLEDBATが可変な位置にいるというのは見て取れるかと思います。
この機能、Windows Server 2016のKB4132216と、KB4284833が適用されている環境か、Windows Server 2019の環境で利用できるようになっているようです。2016の場合は2018年7月以降の累積更新パッケージに入っていると思われます。
以下はSCCMの設定からの抜粋ですが、ここのサーバー要件を満たしていれば利用できるようですね。
なお、関連しそうなTCP/IPの設定PowerShellコマンドをみてみると、この件には特に触れられていませんでした。残念。
SCCMではこの設定はオプション項目を有効化するだけで利用可能となるようなのですが、特にSCCM専用というわけではないようで、WSUSでも利用をすることができそうでした。
Windows10がリリースされてからは、アップデートがネットワーク帯域との戦いとなっている面もあり、この辺りの設定をうまく活用してネットワーク負荷を平準化していければありがたいですよね。
ネットワーク全体を制御するというよりはネットワークカードの中での制御なので当然行えることに限界があり、サーバー単独での意義はどこまであるのかは利用を通じて確認していく必要がありそうです。
この機能、あまり宣伝されていない感も強いですが、ちょっと面白い考え方なので、興味がある方は設定を試してみてはいかがでしょうか。
音楽:Pearls