Exchange では、複数人でメールボックスを共有する場合、共有メールボックスを作成します。
この共有メールボックスですが、複数の人が同じIDでログインして利用するようなモデルではなく、ユーザーにメールボックスを紐づけてACLで管理するというモデルで成り立っています。
そのため、メールの送信はログインしたIDに紐づくメールアドレスがFromに設定されるというのがデフォルトの動作となります。片や、共有メールボックスを利用するケースでは、ヘルプデスクなど、個人IDに紐づくメールアドレスではなくのグループ格でのメールアドレスをFromとした送信が望むべき動作ということが多々あります。
そこでExchange Onlineでは所有者として送信や、代理人として送信などといった手段で、共有メールボックスに成りすましてからメールを送付するという手段を取ります。
【所有者として送信の設定画面】
通常はこの設定を行うことで、差出人の変更画面から他のメールアドレスより選択するとそのユーザーでメールが送付できるようになるのですが、特殊な設定を行っていると、送信ができずエラーとなることがあります。
【差出人の変更】
【送信できずエラー(ノンキャッシュモード)】
【送信できずエラー(キャッシュモード)】
この場合、送信元の個人IDに紐づくメールボックスにNDRが返答されます。
この特殊な設定というのは、共有メールボックスのメールアドレスをアドレス一覧に表示しない。という設定となります。これを選択するとグローバルアドレス帳から該当共有メールボックスが表示されなくなり、その影響で代理送信が行えなくなるようです。
【アドレス一覧に表示しない設定】
【グローバルアドレス帳には該当メールボックスが表示されない】
代理送信が行えない主な原因は、代理送信の可否判断の中にSMTPメールアドレスが組織の中のものであるか確認する項があるらしく、グローバルアドレス帳に表示されいことによって、社外扱いを受けるから。だということでした。
通常の回避策としてはアドレス帳に共有メールボックスを表示すればよいのですが、何らかの事情でそれが行えない場合、OWAを利用して代理送信を行えば、設定にかかわらず送信を行うことが可能です。
音楽:夏の表紙