Microsoft 365 MFA を有効にした後の Outlook 設定について

Microsoft 365 では無償で MFA を利用でき、 Office 365 単体で利用している場合でも、 Microsoft Authenticator 経由の MFA は無償となっているため、積極的に活用していきたいところです。

https://www.microsoft.com/ja-jp/p/microsoft-authenticator/9nblgggzmcj6

ですが、 MFA に対応していないアプリケーションを起動したい場合はどうすればよいのでしょうか。答えは自分のサインインページでアプリに対するパスワードを発行し、このパスワードを Outlook に入力する方法となります。

自分のサインインのセキュリティ情報ページでアプリ用パスワードを発行することができます。に行くには以下のアドレスからたどると早いです。

https://mysignins.microsoft.com/security-info

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設定としては Outlook を起動し MFA 設定してあるメールアドレスを入力するところから始まります。

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接続を押すと Autodiscover が行われ、 Office 365 のメールアドレスであれば以下のセキュリティ入力の画面に遷移します。

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ここで MFA 設定を行っている ID とパスワードを入力した場合、問題が発生しました。とだけ表示されます。
おそらく本来は MFA の設定に遷移したいところなのですが、クラシックな ID 入力画面のため、情報不足でタイムアウトしているような状態なのではないかと推測されます。

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こうならないようにするため、先ほどの自分のサインインにてパスワードを作成しておくことが必要となります。

方法の追加を押下し、表示されたダイアログでアプリ パスワードを選択しましょう。

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アプリ名称を入力します。
ここで入力する名前は、自分が分かりやすいものであればなんでもよいです。
パスワードは一度きりの表示となるため、設定するデバイスと利用するアプリで一意になるような名称が良いと思います。

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ちなみに 8 文字以上となっていますが、日本語は使えませんでした。英数字で組み立てましょう。

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次へを押すとパスワードが表示されます。
コピーボタンを押してクリップボードにコピーすることができます。
この画面は今後再表示できないので、設定完了を見届けてからページを閉じましょう。
※一度しか表示されないパスワードですが、紙などに写し出して、残しておく必要はありません。一度設定したら忘れても問題ないため、別のところに残さないよう注意しましょう。(パスワードの書き出しはセキュリティ上よくないですね。パスワードを思い出す必要が出たときは新たにパスワードを発行するのが正しい方法です。)

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上記で取得したパスワードを Outlook の先ほどのパスワード入力画面に貼り付けます。

ここでは資格情報を記憶するボタンを忘れないようにしましょう。
忘れると次に Outlook を起動したときに聞かれます。(その時にはパスワードはわからなくなっているため、再度この手順をやり直しましょう。)

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すると、今度は Outlook から正常に設定できた旨が返ってきましたね。

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個人的にこのパスワードはある程度強度をえらべるようにしてほしい、もしくは設定文字長を限りなく大きくしてほしいと思っているのですが、実利用には弊害がない程度というところでしょうか。

MFA を活用している場合はこの方法、忘れないようにしておきたいですね。

音楽:朝廷

Microsoft 365 Excel にデータの分析機能が追加されました

Microsoft 365 Apps は据え置き版の Office アプリと比べて、クラウドの利点を生かした機能が多数追加されています。

その中の一つとして、 Excel でデータの分析機能が追加されました。

この機能では Excel 上に作成した表を基に、相関などを自動的に抽出してくれる機能となっています。ビッグデータを活用してどういった傾向があるか判断しているのかと思われます。

利用する方法はホームリボンにある分析グループのデータの分析を押すだけです。

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手元に分析したいデータがない場合は、ボタンを押した後にサンプルデータを試用を押してみましょう。

自動的に 75 件のデータをシートに配置し、その情報を基に分析をかけてもらえます。

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分析がなされると右ペインに表から考えられる方向性が表示されます。
例えば売り上げのうち、占めるものが多いをものを報告してくれたり、どの分野が売り上げを伸ばすことができたか、年の観点から分析してくれるといった形です。

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また、この分析内容もフィールドを限定することでさらにチェックしたい方向を絞っていくことができます。

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データ分析された結果は、ピボットテーブルやグラフとして挿入することができるため、分析した結果の再確認も簡単に行えます。

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データの量は 100 万件といったレベルの BI は行えないようで以下のエラーが出力されました。 

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また、 20 万件程度にデータを減らしチェックしてみたのですが、 10 分以上応答が返ってきませんでした。このあたりの動きから、大規模な情報分析は Power BI などの BI ツールで分析するのがよさそうです。

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データの質に応じて Excel のデータ分析機能、利用していきたいですね。
もう少し詳しい話は以下に記載されているので、利用前に一読することをお薦めします。

https://support.microsoft.com/ja-jp/office/3223aab8-f543-4fda-85ed-76bb0295ffc4?WT.mc_id=M365-MVP-5002496&ui=ja-jp&rs=ja-jp&ad=jp

音楽:ラクエン

Microsoft 365 Outlook 予定表の機能に予定時間短縮が加わりました

リモートワークが多く活用されるようになって、他者との打ち合わせを行うための会議設定がますます重要になっています。役職を持った方などでは、気が付いたら一日中会議だった。ということも少なくないのかと思われます。

そんな事情を考慮してか Outlook on the Web にイベントの時間を短縮する機能が追加されていました。

この機能を有効にすると、予定を作成するときに指定した時間から設定した時間が間引かれる形となります。

設定を有効にするには、まず設定を開き、 Outlook すべての設定を表示 をクリックします。

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続いて、予定表メニューからイベントと出席依頼を押し、上の方にある自分が作成するイベントを見ましょう。

下部にすべてのイベントの期間を短縮するというチェックボックスがありますが、これをオンにすると利用開始となります。

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設定は短縮する位置(開始か終了か)、 1 時間未満の予定の短縮具合、 1 時間以上の予定の短縮具合となっています。

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イベントの短縮は後ろがデフォルト設定で、前に変更することも可能です。

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時間の設定はテキスト設定に見えますが、ドロップボックスより選択となっています。

1 時間未満の場合は 5 分がデフォルトで、 0 ~ 10 分の間から選ぶ形です。

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1 時間以上の場合は 10 分がデフォルトになり、 0 ~ 15 分の間から選ぶことができます。 1 時間未満と以上で若干選択肢が異なるので注意しましょう。

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さっそくクリックしながら予定をとってみると、 1 時間を選択した場合は 10 分間引かれて予定が設定されました。
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30 分の予定をとった場合、 5 分になりました。
この辺りは一律でもよい気もしますが、もしかしたら会議時間の統計から分けた方が良い。などの指標が出たのかもしれませんね。

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ちなみに終日を選択した場合、この機能は利用されないようです。
まぁ当然でしょうか笑

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この機能、自分で気を付けていれば不要な機能かもしれませんが、会議間の移動時間や一時的な休憩などを常に考慮するのは面倒ではあります。そんな時にこの設定を行っておくと意識が不要となるので、ぜひ使っていきたい機能ですね!

音楽:End Title ノスタルジー

Microsoft 365 SharePoint 上の ZIP ファイル展開が行えなくなるようです

現在の SharePoint モダンライブラリーでは様々なビューアーが用意されています。

その中の一つ、 ZIP ファイルビューワーでは現在ファイルの中身を一つずつダウンロードすることができるのですが、この機能について、 2021 年 5 月からクロージングされることとなったようです。

どのような機能なのかは以下のイメージを見てもらうとわかるかと思います。

ZIP 圧縮されたファイルを SharePoint や OneDrive for Business にアップロードしておき、モダンライブラリー表示上でクリックします。

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すると ZIP 圧縮ファイルの中身を一覧表示することができます。

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この中のファイルを選択すると左上にダウンロードボタンが表示されます。

ダウンロードボタンを押すことでこのファイルだけを PC 側にダウンロードすることができるのです。

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インターネットからのダウンロードとなるため Office ファイルであれば保護ビューで表示されます。都度チェックされるので安全性は申し分ないですね。

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この機能が提供されなくなる理由として、うまくダウンロードできないケースがあるということのようなのですが、日本語の名前があると文字化けします。
上の画像の一番下にある怪しいファイル名のファイルは新規 テキスト ドキュメント.txtだったりします。

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これはファイル名に関する文字コードが異なるため起きていると思われるのですがこのあたりのコードを確定する方法がないのかもしれません。

この機能はなくなりますが、 ZIP 圧縮ファイル全体をダウンロードすることは可能です。

この機能を今まで利用していた場合、今後はダウンロードした後にファイルを取り出す必要があることを忘れないようにしましょう。

音楽:Yo Pumpkin head

Microsoft 365 SharePoint と Outlook 連携について

最近は利用されることが減ってきたのかと思いますが、一部の SharePoint リストは Outlook と連携することができ Outlook をインターフェースとして利用することができます。

今回はその方法を見ていきたいと思います。

やり方は簡単で、リストを開いてクラシック表示にしてリストリボンから Outlook に接続をクリックするだけです。

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すると以下のようなダイアログが表示され、 Outlook が起動して接続することができます。これは Internet Explorer を利用した場合の表示です。

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Edge から押下した場合は以下の表記になりますね。

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こんな流れですね。

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この連携ができるリストにはいくつか条件があり、タスク、ドキュメントライブラリ、ディスカッション、カレンダー、連絡先あたりのテンプレートから作成されていれば設定することができます。

それぞれ、表示されるナビゲーション位置が異なるので、この辺りは利用前にチェックしておくとよいかもしれません。

タスクの場合はタスクビューに表示されます。

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ディスカッション掲示板で行うとこんな感じに、、、

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メールビューの SharePoint リストの位置に表示されました。

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一度表示すると太字が標準体になり、読んだことが分かるようになります。

 

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なお、ドキュメントライブラリに対しては標準利用の場合 1 年前からエラーが出るようになっています。

レジストリの制御で動作するようにできるのですが、 OneDrive アプリの利用が推奨されているので、利用は限定的にした方が良いかもしれません。

https://support.microsoft.com/ja-jp/office/03fb9363-029b-456f-87dc-a7eff1978f78?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

この機能の良いところは、未読既読の機能として利用できるところでしょうか。

データは Outlook 内にあるので、その観点の意識は必要ですが、見たことを残しておきたいという要望への一つの回答となるケースが多いですね。

ちなみに古い記事ですが Outlook 開発でも利用することができ、以下のプロトコルから始まるアドレスを生成できればリンクを作ることもできそうです。

stssync://sts/?ver=1.1&

https://docs.microsoft.com/ja-jp/office/client-developer/outlook/pia/how-to-synchronize-outlook-with-a-sharepoint-folder?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

この辺りを活用できればさらに様々な使い方ができるようになりそうですね。

音楽:お弁当を食べながら 

Microsoft 365 Teams の通知方法に Windows 通知が加わっていました

Teams を使いこなしてくると、重要になってくるのが情報の通知です。
例えばメールを見ているときにチャットが来た時に通知があると、すぐに気が付くことができます。この機能、今までは Teams アプリのオリジナル通知機能だったのですが、いつの間にか Windows のアクションセンターを利用した通知が行えるようになったようです。

Teams デスクトップアプリの設定 - 通知から選択することができます。

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Teams の組み込みか Windows のどちらかを選ぶという形ですね。

Windows を選ぶと注意書きが。

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このサイトには直接記載はされていませんが、通知とアクションの設定で Teams をオンにしておく必要がある。ということを言いたいのかと思われます。

https://support.microsoft.com/ja-jp/office/1cc31834-5fe5-412b-8edb-43fecc78413d?WT.mc_id=M365-MVP-5002496&ui=ja-jp&rs=ja-jp&ad=jp

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Teams の組み込みの場合、以下の紫っぽい通知が行われます。

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Windows にしておくと Windows 通知が動く形ですね。

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どちらも同じように見えるのですが、通知が重なってきた時の動きがかなり異なります。

具体的には以下を見てほしいのですが、 Windows 通知の場合、同時に出る通知は 1 通のみとなるのです。

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一方 Teams の組み込みの場合は同時に通知があるとどんどん重なっていきます。
数秒後には消えるのですが、20人以上でやり取りをするとよく起きるのが以下のような光景です。
画面の右側を通知が占拠するという状態が続いてしまうのです。

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この状況の改善だけでも生産性が改善すること間違えなしなので、ぜひこの動作を覚えておくとよいかと思います。

音楽:たまいれ

Windows10 今後の FU 以外における機能拡張リリースの全容が見えてきました

Windows Insider Blog での更新内容に今後のバージョンアップのが考え方が述べられていたので共有しておきたいと思います。

今までの Windows 10 は QU という毎月の機能更新と FU と呼ばれる半期ごとの更新、そしてストアアプリや Edge 、 OneDrive といった個別のバージョンアップに大別されていました。

しかしながら近年 Windows 10 Feature Experience Pack と称して、軽微な機能更新は FU にかかわらずバージョンアップする機構が加わっており、 OS の付属機能であってもストアアプリのように不定期更新ができるような機構が追加されました。

この不定期更新の考え方をまとめた資料が今回共有したい内容となっています。

https://blogs.windows.com/windows-insider/2021/03/25/releasing-windows-feature-experience-pack-120-2212-3530-0-to-the-beta-release-preview-channels/

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ここに記されているように QU としての毎月の Security Update 以外の機能更新を C リリース( 3 週目の火曜日)で行い、翌月の B リリース( 2 週目の火曜日)にて実際にリリースするという内容となっています。

この C リリースは Azure AD に参加しているか Windows 10 Enterprise を利用している Insider の Bata Channel もしくは Release Preview Channel のマシンに行われるとのこと。

QU を当てるときに遅延を行うため Ring を構成していたような場合、この Ring の中に Insider を含めておいた方が良い。という形になります。

この Windows 10 Feature Experience Pack をどこまで遅延させることができるのかわかりませんが、リリースまでの猶予は 2 ~ 3 週間程度となっているためあまり有用ではない可能性もあります。

この辺り、もう少し詳しい情報が出次第ではありますが、運用の方法として組み入れていきたいですね。

音楽:月のくじら