Microsoft 365 Power Automate を利用するためのライセンスを見てみましょう

Power Automate は Power Platform の一つの機能なので、 Dynamics 365 のシリーズとなっているのですが、 Microsoft 365 でも利用することができます。

クロスプラットフォームで提供されているため Power Automate を使いたい。という時に何を選べばよいのかちょっとわかりにくかったりしますよね。

そのあたりをまとめた情報として、以下の docs に Microsoft 365 で利用可能な機能が記載されています。

Microsoft 365 ではオンプレ接続や 3rd パーティクラウドへの接続などが行えないライセンスとなっています。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/power-platform/admin/pricing-billing-skus?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

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また、以外にもパフォーマンス観点でも制限があり、 Microsoft 365 付属のものは Power Automate Plan1 と同等の性能ですね。

【構成と制限】

https://docs.microsoft.com/ja-jp/power-automate/limits-and-config?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

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例えば動作の要求数だと 1 日に 10,000 件までとなっています。

10 のアクションがあるフローだと 1,000 回実行までしかできない。という訳です。

1 時間に 1 回起動する 10 アクションのフローは 41 本程作れる計算になります。

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そのほかにもスループットや反復回数などにも制約があるため、行いたいことがライセンスの範囲内でできるかどうか、確認しておくことを忘れないようにしましょう。

音楽:恋ニオチル音

Windows10 Power Automate Desktop に関するライセンス条件が資料化されていました

Power Automate Desktop が Windows10 に内蔵される予定であるという話題が Ignite で発表されて以降、さまざまなところで反響が出ているようです。

このあたりの情報がまとまった資料がないかなーと探していたところ、以下のファイルにたどり着きました。

https://go.microsoft.com/fwlink/p/?linkid=2085130

このリンクをクリックすると Power Apps, Power Automate and Power Virtual Agents Licensing Guide - Mar 2021.pdf というファイルがダウンロードできます。

その中で Microsoft 365 ライセンスに含まれる機能がまとめられています。

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一部抜粋となりますが、こんな感じですね。

Power Automate Desktop は Desktop Flows として定義されています。
Windows 10 では Pro と Enterprise で利用できるようです。残念ながら Home は対象外のようです。この辺りは注意しておくのがよさそうです。

また、この PDF 内にはもう少し広範囲な話も出ています。
例えば、 RPA で使う場合の話で Unattended RPA add-on ライセンスがどのような機能を使えるのかなど、サマリーになっています。

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この表は Power Platform を検討するときにお世話になりそうな内容ですね。

実際 Power Automate Desktop を利用する場合は Power Automate から時間指定で呼び出すなどが現実的な用途になると思います。

その場合は  Attended desktop flows や Unattended desktop flows が必要になるので、 RPA 系の Power Automate プランの契約が必要となるという訳ですね。

Excel マクロのように利用するには Power Automate Desktop だけで行けるという使い分けとなるため、利用用途に合わせてライセンスを選んでいきましょう。

音楽:エウロペ

Windows10 Insider Preview Build 21343リリース

今週の Insider Preview Dev Channel の更新ですが Build が 21343 となりました。

最近の更新はかなり精力的で、新機能も多くあるため 20H1 が目前に迫っているという感じを受けません。内部的な開発体制の分業化が進んでいて、同時並行での開発がやりやすくなっているのかもしれませんね。

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今回の更新では、アイコンの大幅変更という面白い更新が行われました。
アイコンの更新は先週も行われているので 2 週に分けての更新となった形です。
この辺りも現状を包み隠さず、最新の状態でリリースしているという現れですね。

肝心の更新されたアイコンは、デスクトップを中心に特殊フォルダーのアイコンが更新されています。
以下の図を見るとわかりやすいでしょうか。
デスクトップであってもフォルダーである。ということを重視した見栄えとなっており Windows からスタートボタンが消えた時と同様の決意を感じます。

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このほか、ドライブやネットワーク、ゴミ箱などフォルダー以外のアイコンも更新されています。
また、小型のアイコン(エクスプローラーの左ペイン)と大型アイコンでもフォントが異なる形です。使い分けは当然なのですが、意匠がフォルダーのタブを消した形になっており、意図が異なるということを示しているようにも見えますね。

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また、これは気のせいかもしれませんが OneDrive の同期状態を示すアイコンも若干小さくなったような感じがしました。

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これらのアイコンは、以下のファイルに格納されているため、古いアイコンもないかとみてみたのですが、ありませんでした。
また、ほかにもちらほらと変更されたアイコンが存在しているようです。
%SystemRoot%\System32\imageres.dll

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Windows のバックアップフォルダーの同ファイルで見ると一目瞭然ですね。

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ちなみに古いアイコン集である Shell32 のアイコンも更新されていました。
面白いことにこちらは、もう一段古いアイコンは残っていたりもします笑

%SystemRoot%\System32\SHELL32.dll

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Windows のアイコンは眺めているだけでも楽しいので、ぜひどんなものが追加されたかチェックしてみましょう。

そのほか、 サンドボックスなどで利用しているラインタイムが新しくなったようです。
コンテナとホストの動作環境を分離したようで、最適化を図るということのようです。
バージョンが異なるコンテナを動かせることにつながるため、別の用途への適用もできるようになるのかもしれませんね。こちらは現状、インターフェースへの影響はないとのことなので、意識は不要そうですが、今後の動きが楽しみになりますね。

まだまだ更新のしどころはある。というところを見せつけてくれた今回の Build ですが、今後の動きがますます気になりますね!

音楽:しずく

Microsoft 365 トレーニング可能な分類器機能がおもしろそうです

Microsoft 365 を SaaS として日々課金することの意義としては、一般的にインフラ保守作業の軽減や機能の定期的な増強が挙げられるかと思いますが、最近はその意義に情報の分類というものが入ってきています。

要は受信メールを AI を使って仕分けるといったような、大量データからの判断という観点が主なのですが、新たに統合ラベルを付与するために利用可能な分類器というものがリリースされていました。

コンプライアンスセンターのデータの分類にあるトレーニング可能な分類器という項目です。

分類器とは、その名が示すように分類を行うための器、機能です。
分類器にデータを通すとどのように分類されたか結果が返ってくるという訳ですね。

この分類器、使うにはデータのスキャンが必要なようです。スキャン対象は組織内のコンテンツとなっているため 14 日くらいの期間が必要とのこと。結構長いですね。

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この分類器は、ラベルの自動適用などで効果を発揮します。
自動ラベル付けを情報ガバナンスのラベル ポリシーから選択することで、利用することができます。ラベル付けの対象の情報選択時にトレーニング可能な分類器に一致するコンテンツにラベルを適用するを選択します。

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現在提供されているのはソースコード、ハラスメント、冒涜、脅威、攻撃的な言葉、履歴書を検索できるようになっています。

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基本は英語での情報のみ分類対象となっているのですが 4 月中旬までに冒涜、ハラスメント、脅威の 3 つが日本語対応となるようです。

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このあたりの AI 機能、漸く日本語でも利用できるようになるということなので今後国内でも利用が活発になってくるに違いありません。うまくこの分類器を活用し、情報の抽出を行っていきたいですね。

音楽:A Place For Me And You

Microsoft 365 セルフサービス購入を意識しておきましょう

全くもってノーチェックの機能だったのですが、ちょっと意識しておく必要がありそうだったので今回話題に取り上げたいと思います。

それはセルフサービス購入という機能です。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/commerce/subscriptions/self-service-purchase-faq?WT.mc_id=M365-MVP-5002496&view=o365-worldwide

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この説明をみると、 Azure AD のユーザーであれば自身のクレジットカードを用いて製品を購入できるとあります。

イメージとしては Power Platform の従量部分を使い切ってしまい、ユーザー自身の判断でさらに利用したいときに使う機能という感じでしょうか。

この機能で購入したかどうかは管理センターの課金情報、お使いの製品からセルフサービスでフィルターすることで管理者が確認することができるようになっています。

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実は 2021 年 4 月 19 日より、 Power BI と Attended RPA Power Automate がセルフサービス購入の対象となることがアナウンスされています。

このセルフサービス購入の機能を統制目的でオフにしておきたい場合は以下のサイトを参考に Power Shell を用いて停止しておく必要があるようです。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/commerce/subscriptions/allowselfservicepurchase-powershell?WT.mc_id=M365-MVP-5002496&view=o365-worldwide

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実態としてはこの機能を利用してもデータを移動できるようなわけではなく、組織のテナントを拡張して利用できるようになるだけなので実害はなさそうです。

あくまで統制をかけるかどうかという観点で、停止するかどうかを決定していく必要がありますね。

音楽:天下攻防

Windows 10 Power Automate Desktop で Excel セルの収集を行ってみました

実際のケースとして自動化をしたくなるのは単純作業の繰り返しではないでしょうか。

よくあるのは Excel のセルデータをコピーするというパターンとなります。

という訳で、どのような書き方をすればうまくいくのか見ていきたいと思います。

まず、読み取り元の Excel を見てみましょう。

今回は一つのフォルダーに対象となる Excel とそれ以外のファイルが置かれた場所を作りました。

対象となる Excel は同一フォーマットでそれぞれの B2 セルに値が書き込まれているというものとしています。

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こんな感じにデータを用意しました。

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まずは Power Automate Desktop を開き新しいフローを作っていきます。

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最初に選ぶのはフォルダーからファイルを選ぶところです。

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Excel ファイルを格納したフォルダーを選択し、必要に応じてフィルターを行います。
今回はフォルダー内に関連しないファイルが含まれるため、拡張子で絞りました。

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続いてアクションからデータを保存する Excel を起動します。

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ここで開く Excel はデータ保存用なので、データをすべて書き終えるまでは開きっぱなしにしておきましょう。タスク量が多くなる場合は途中で保存するとよいかもしれません。

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そして、イメージを付けずらい難関、変数を用意します。

この変数では各 Excel ファイルから読み取ったデータを書き出すときに書き出すセル位置を変更するために利用するおまじないとなります。

コード屋はすんなり入ってくるのですが、この概念になれるのは時間がかかりますよね。まずはこんなものと思いながら入力してみましょう。

変数の設定を押して変数を作ります。

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この変数には文字や数字など様々なデータを入れられます。

が、今回は数字を入れていきます。 0 を設定しておきましょう。

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次の工程で、漸く用意した Excel を起動していきます。
これまた難しい、ループの中にある For each をクリックします。

この For each では「繰り返し」動作を行う時に使うおまじないです。

複数の Excel を開くので、これを使うという訳です。

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最初に設定したファイルを取得したものに対して繰り返し動作を行っていきます。
実は先ほどフォルダーの Excel ファイルを取得しているのですが、先ほどのはファイルの場所の一覧であって、ファイルの場所ではありません。

For each を通すことで一覧からファイル一つを取り出す。という形になります。

もともととってきたファイルの一覧は {x} を押すことで選択できます。
Files という名前が Excel ファイルの一覧なのでそれを選びましょう。

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選択するとこんな感じになります。

生成された変数という項目がありますが、この名前を For each の中で使うことで Excel ファイルの場所を扱うことができるのです。

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こんな形になってきたでしょうか。

そろそろ折り返しなので頑張りましょう。

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次はまた Excel の起動です。
今度は最初に出てきた読み取り元の Excel を起動する形です。

Excel の起動を押していきましょう。

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今度は Excel ファイルの一覧から Excel を起動するという動作となるため、次のドキュメントを開くを選んでドキュメントパスに CurrentItem の .FullName を選択します。

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こんな感じですね。必要に応じて読み取り専用として開くことも検討しましょう。

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これでデータの入った Excel が起動するため、今度はその中のセルを読み取っていきます。

セルの読み取りは Excel ワークシートか... となっているところから行えます。

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読み取りたい値はすべての Excel ブックで、アクティブセルの B2 セルに入っているため、以下のように設定します。

ここまでに Excel は 2 つ起動しているため ExcellInstance2 という名前のものがデータの入っている方ですね。 もう一つの Excel はデータを書き出す方です。

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読み取り終えたら Excel を閉じましょう。

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使わないデータは早々に閉じておくのが良いですね。

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続いて Excel の書き出し側です。

こちらはファイルごとにセルの位置を移動していく必要があります。

先ほど作った変数を操作して、セルの位置を変えていきましょう。

変数を大きくするを利用すると、指定したサイズだけ変数の値を変えられるのでこれを利用します。 

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こんな感じに 大きくする数値に 1 と入れると 1 回通るたびに 1 ずつ変数の値が大きくなっていきます。

Excel のセル位置を 1 ずつ変えられるということですね。

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この設定を終えたらいよいよ書き出しです。

Excel ワークシートに... を選ぶと特定のシートにデータを書き込めます。

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今回は Excel ファイルごとに行を変えていきたいので、行 に変数を指定します。

先ほど 1 大きくした変数を当てましょう。

For each の中で大きくしているので、次のファイルを読み込むときに大きくなります。

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こんな感じに表示されますね。
これで B 列の 1 行目から順にデータを書いていく形を作ることができました。

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全体像はこんな感じですね。

ちょっと長くなりましたが、これで特定のフォルダーにある Excel ファイルの B2 セルからデータをコピーして 1 つの Excel ファイルに書き出すことができました。

上の方にある 再生 ボタンを押すと動作確認することができます。

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こんな感じにデータが取得されたかと思います。

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慣れると簡単なのですが、慣れるまでは大変なので、ぜひこの動きを覚えてみてくださいね。

音楽:形而上マチウド

Microsoft フィードバック用の UserVoice が Microsoft のフィードバックシステムに置き換わるようです

2015 年頃からユーザーからのフィードバックを受けるために利用されていた UserVoice ですが、なんとこの 2021 年に装いを新たに Microsoft が作成するフィードバックシステムに置き換わっていくことがアナウンスされました。

https://support.microsoft.com/ja-jp/topic/430e1a78-e016-472a-a10f-dc2a3df3450a?WT.mc_id=M365-MVP-5002496

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UserVoice サイトはいくつかあったと思うのですが、個人的に一番お世話になったのは Microsoft Teams のサイトでした。

https://microsoftteams.uservoice.com/

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このサイトは Microsoft 社員が巡回していたようで、かなりの頻度で応答がありました。惜しいのは英語サイトしかないというところでしょうか。

技術屋相手であればこの考え方でも特段問題はないのかと思いますが、 Office 製品のようなすそ野が広いツールのフィードバックを英語に限定してしまうのは正直もったいない感じがしていたので、 Microsoft サイトに変わるタイミングで言語を問わず対応ができるようになってくれないかと期待しちゃいます。

まだ今後のシステムは発表されていませんが、今から次の仕組みが楽しみです!

音楽:幾度