2018年のIgniteでリリースが発表されたWindows Virtual Desktopですが、2019年末のリリースに向けプレビューが開始されました。
Windows Virtual Desktop, now in public preview
機能を要約すると、Windows10もしくはWindows Server 2016のRDSを利用した仮想デスクトップの提供となります。
面白いのはServer側だけでなくWindows10でのマルチセッション型の環境提供があるというところでしょうか。
また、ライセンスもクライアントOS利用時にはWindows E3以上が必要となっています。そのほか、Azure ADが必要で、かつAzure AD Joinには非対応(オンプレADまたはHybrid AD Joinが必要)ということで、Azureをある程度利用していることが利用の前提となるようでした。
というわけで、物は試しで何もないところから利用をしてみました。
結論としては、Azure ADとオンプレAD(もしくはAzure AD Service)が連携されていないと利用開始までたどりつかない感じでした。
とはいえ使うまでの大枠のイメージはわかると思うので、記しておきたいと思います。
まずはAzureポータルに行きます。アドレスはOffice365と同じような感じなので覚えやすいですね。
ここで検索窓にWindows Virtual Desktopを打っていくとMARKETPLACEに項目が出てきます。これを選択しましょう。
まずはプラン選択画面に行くのですが、現在は1つしかないのでそのまま次へを押していく形になります。
これは今後複数のプラン提供を意識してのつくりなのでしょうか。そのあたりは気になりますね。作成ボタンを押していきましょう。
作成すると設定画面です。
ここは意識が難しいところは少ないかなと思います。
Desktop Typeの項目で、共有ものか個人割当ものか決定するのと、Default desktop usersでAzure ADユーザーのうち、ログイン可能なユーザーを設定するところがわかりにくいでしょうか。
場所については、日本も選べますが、GAまでは管理機能はアメリカの東側にあるようなので注意が必要です。
続いて利用ユーザー数を入力していきます。
利用ユーザー数から適切な仮想マシンを見繕ってくれるので簡単に設定できます。
が、Azureの初期状態ではコア数の上限が20コアまでとなるので、テスト用途ではユーザー数を少なくしてかつ、サイズを変更し、コア数オーバーとならないように制御していくことが重要です。(ただし、後述の理由で安価なマシンは受け付けてもらえません。)
また、仮想マシンのプレフィックスを決める項目もあります。
上の項目で2x~となっていたら2台分の仮想マシンが作成されるのですが、その際の名前ですね。プレフィックス-数値というかたちでマシンが作成されます。
プレフィックスにはアンダーバー等利用できないので気を付けましょう。
使えない文字があるとデプロイ開始後にエラーとして出てきます。
現在はプレビューなので無償のようですが、金額の目安は以下となっています。
続いて仮想マシンの情報などを決定します。
Windows10もしくはWindows Server 2016、SSD、HDDなどを決定します。
SSDの場合はPremiumとなるので、前のページでA系などを選択しているとデプロイ時にエラーとなります。DS シリーズ、DSv2 シリーズ、FS シリーズ、および GS シリーズのみがPremium利用可能となっているので注意しましょう。
AD domain join UPNは、この情報を利用してADへのマシン参加を行うこととなります。Azure ADのUPNを入力するのですが、オンプレと連携されていないものを入力するとデプロイが最後まで通らないので注意が必要です。(AD整備しないでやった私はこれで引っかかっているのかと思います。)
あとは仮想ネットワークのサブネットなどをここで決めます。
私の環境では、新規に作成とすると、サブネットが作られるよりも早くNICを作りに行くらしく、エラーとなってしまいました。
事前にネットワークを作っておくのが良いと思われます。
ちなみに選択可能なOSイメージは今のところ以下の2種です。
最後にテナントを決めます。Windows Virtual Desktopテナントというものがあるのですが、
後は設定を確認して作成するだけですが、この画面で簡易的に検証を入れてくれます。
コア数オーバーなどはこのタイミングでわかります。
問題がなければこれで作成に。2台構成程度であれば10分程度で作成完了です。
ちなみにAD系の設定が終わっていないと以下のようにエラーとなります。
詳細をみるとドメイン接続ですね、、、
なお、実際の利用にはAzure ADテナント側にも設定が必要となりそうです。
Windows Virtual Desktopテナントとして認識させるなどですね。
New-RdsTenantコマンドで実施できるのですが、細かい方法は以下を確認しましょう。
Windows Virtual Desktop Documentation - Tutorials, quickstarts, API references | Microsoft Docs
ちゃんと使うところまでは行きませんでしたが、そこまで難しくない手順でVDI環境が作れそうだという感触がつかめました。
テスト利用がさらに簡単になれば、利用してみたいなと思える感じでした。
これから半年かけてバージョンアップとなると思います。ぜひこれも検証していきたいですね。
音楽:The song of a stone