Windows10のWaaSプロセスでは、リングという考え方を用い、サービスの提供時期をずらしながら、大多数のユーザーが安定したWindows10を利用できるように配慮されたシステムとなっています。
そんなWindows10のWaaSですが、今まではMicrosoft、Insider、Semi-Annual Channel Targeted(SAC-T)、Semi-Annual Channel(SAC)の4種類を用意していました。
これがWindows10 Version 1903より、Microsoft、Insider、Semi-Annual Channelの3種類に縮小されることになったようです。
Version1803が出た後から、SAC-Tがなくなるという話はあったのですが、ようやく実現される方向となったということですね。
実際何が問題になるかというと、マイクロソフトのお墨付きとして先行リリースと一般向けリリースという区分けがなくなるのみで、サービス自身には何ら変更はありません。
言い換えると、Insiderが終了したものはマイクロソフトとして一般向けにリリースしても問題ない。というレベルでリリースするということとなります。
この変更に当たっては、マイクロソフトのお墨付きをリリースタイミングとして設定するWindows Update for Businessのみ影響が出てきます。
今まではSACがリリースされてからX日後にアップデートを開始するという設定があったため、一般的にはSAC-Tが4月にリリースされてから6か月後くらいの10月頃に新バージョンがインストールされるというイメージを持っているのかと思います。(これは、SAC-TリリースからSACリリースまで4か月、FU適用遅延を2か月と設定していた場合のモデルケースです。)
これが4月にSACリリースとなると、6月頃にインストールされるという状況となるため、思っていたタイムスパンでのリリース前準備が行えなくなるということで、1903では救済措置としてFU適用遅延日数に60日が加算させることとなるようです。
要するにFU適用遅延を2か月としていた場合、1903がリリースしてから2か月+60日、4か月後の新バージョンインストール開始という流れになるということですね。
この60日の加算は1903の導入のみに適用されるため、1909や2003がリリースした際には上記でいうと2か月後にインストールが開始されるので注意が必要です。
Windows Update for Businessを利用している場合は、リリース前後で遅延日数を変更する必要が生じるのかと思います。
さらに、上記記事にもありますが、Office 365 ProplusはSAC-Tの概念が残ります。
配信の仕組みを利用せず、Office 365 Proplusの更新をインターネットから受信するように設定している場合は、Windows10のバージョンアップとOffice 365 Proplusのバージョンアップが交互にやってくるという形になるのでさらなる注意が必要です。
名前は似ていますが、それぞれのリリースタイミングは厳密には異なっていることもあり、どういったタイミングでリリースするのかよく検討していく必要があるのかと思います。
ちなみに、Windows10 バージョン1809はまだSAC-Tの状態のままとなっています。一時的なリリース延期があったので11月リリースということになっているため、そろそろ4か月。1803のSAC化と1903のSACリリースがほぼ同時期になるかもしれませんね。逆転はしないでしょうから、FU適用遅延を0日に設定している場合で同日リリースとなった場合、1809が適用された2か月後に1903が適用されるというタイムスケジュールになります。
Windows 10 - release information | Microsoft Docs
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