Office365 Exchange Web Serviceでベーシック認証が無効化されるようです

Office365 Graphで様々なデータをやり取りできるようになって早数年。
Exchangeのデータを取得する方法としてはいまだEWS(Exchange Web Service)が多く使われていますが、とうとう終了への一歩目が切られました。

2020年10月13日でベーシック認証を用いたログインが行えなくなるようです。

Office Dev Center - Upcoming changes to Exchange Web Services (EWS) API for Office 365

ベーシック認証とは、UserIDとPasswordを設定して通信する方法となります。
以下サイトにあるようなコードでの認証方式ですね。

方法:EWS マネージ API を使用して EWS と通信する

値の漏洩という意味では、Httpsなどのセキュア通信を用いれば安全にすることができますが、短い値となってしまうPasswordでは総当たり攻撃などは防ぐことはできません。これがベーシック認証の大きな問題点でした。

 

この方法からトークンで認証を行うOAuth2.0での実装へと変更していく必要があります。

Azure AD Authentication Library for .NETを利用した認証方式ですね。

詳しくは以下にある手法となります。 

Authenticate an EWS application by using OAuth | Microsoft Docs

この手法をとるとTokenを用いた認可確認となるため、Passwordに比べ、非常に長く利用ごとに変わっていく情報を利用することになるので、推測などが行われにくくなります。

また、今後はEWSの機能追加などは行われず、Office365 Graphの更新が加速するとのことなので、新規のアプリなどはGraphを意識したつくりにしていく必要がありますね。

世代が過ぎていく感が強くありますが、よりいいものを残していくという方針は重要ですので、アプリの改修、更新を忘れずに行っていきましょう。

音楽:蒼のエーテル

Windows10 MSIXコンポーネントを作成するSDKがPreviewされました

私自身は最近開発から遠ざかっており、あまりこの類のSDKを利用しなくなっていs待ったのですが、Windows10のSDK Previewが更新され、MSIXを作成できるようになりました。

Windows 10 SDK Preview Build 17704 available now! - Windows Developer BlogWindows Developer Blog

MSIXとは、Windows7まででなじみの深かったWindows Installer形式(msi形式)のインストーラーの後継で、UWPとmsiを同時に扱うような形式です。

UWPと違い、Microsoft Store(for business)以外での配布が行え、起動時などにUpdate確認などを組み込むことができるといったUWPの自動的なアップデート形式に対応するといった良いところどりな仕組みとなっています。 

更に利用可能なプラットフォームも幅広く、WindowsだけでなくiOSandroidもサポートしていく方針となるようです。詳細な対応プラットフォームは以下に記載があります。

msix-packaging/tdf-guidance.md at master · Microsoft/msix-packaging · GitHub

このSDKWindows Insiderになっているとダウンロードが可能で、以下のサイトからダウンロードする形になります。

Download Windows Insider Preview SDK

Insider Program加入アカウントでアクセスすると、以下のようにSDKをダウンロードするボタンがあるのでここからダウンロードしましょう。

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WaaSを意識すると、OSが更新された際にモジュールのアップデートを行うなどのスピード感が必要となるため、更新を意識した配布方法というのは非常に重要となってきます。

本来はApp-VやUWPで実行しようとしていた範囲なのかとはおもいますが、浸透の感覚を見ているとPCにはやっぱりローカルインストールという考え方が必要なのでしょうね。この仕組みがうまく回りだすと、本来のWaaSの目的であるセキュリティへの意識向上やアプリのモダン化などへ目が向いてくるのでしょうね。

逆にアプリを提供する側は、この意識を常に持ち、どんどん更新をしかけて行くという意識が必要になるのかと。

いずれにしても利用者、開発者の意識を変えていける契機になってくれるとありがたいですね。

音楽:what's it for

Office365 Visio Web AccessのEOSの延長が決まりました

私の周りのテナントではあまり使われていないのですが、世界的な需要は大きいのでしょうか。Visio Web AccessのEOSが当初言われていた2018年9月30日から2019年9月29日、と1年延長されることになったようです。

【昨年の記事】

Visio Web AccessのEOSが決定しました。 - ()のブログ

期間は延長となるものの、昨年来と同様に、置き換えに関してはVisio Onlineへの移行を推奨していますね。

ただ昨年はVisio Onlineのプレビュー終了とタイミングが重なって利用ができないような状況がありましたが、現在はVisio Onlineが普通に利用できるため、移行を意識した動作確認やVisio Onlineのページ埋め込みが実際の動作として確認できるようになっています。

モダンサイトですと、Webパーツからファイルビューアーを選択することでvsdxファイルを張り付けることができます。

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クラシックSharePointサイトの場合はJavascriptを利用してサイトを再構成することとなるのですが、その際は以下サイトを参照するとサンプルとなるScriptを入手することができます。後はスクリプトエディタパーツなどに張り付ければ、前と同じようなサイト構成で再生成できるかと。

Migrate from Visio Web Access to Visio Online – Visio Insights

ただし、Visio Onlineのサブスクリプションが必要となるため少しハードルが高いかもしれませんね。

Visioを頻繁に使っているか否かもあると思いますが、今後も継続した利用を考えている場合、あと1年の間にどの方針で行くのか検討が必要となるので、忘れずに行っていくようにしてください。

音楽:she is

Windows10 Insider Preview Build 17704のつづき

昨日お伝えしきれなかった、Build 17704の続きですが、AIによる入力支援という内容が増えています。
日本語にどこまで対応できているのかは未知数ですが、オートコンプリートやスペルミスを訂正してくれる機能などを提供してくれて、その支援回数が表示されるようです。

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また、動画再生時の光量調整機能が追加されています。
バイス側に光感知ができることが必要ですが、これができる場合、周辺の明るさに応じて動作の光量を調整してくれます。

設定はアプリ-ビデオの再生からの設定となるようですが、設定名称が自動的にビデオを処理して品質を向上する。という項目になっています。なんだかもっと広範に対応してくれそうな名前ですが、実際の対応は上記に絞られるようです。

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Windows Defenderの世界からは、状態のレポートにWindows タイムサービスが追加されています。
時刻同期が切られている際に有効化してくれるようです。
時刻同期はWindows認証の世界ではかなり重要な観点なので、この対応は有用ですね。

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そのほか、Snipping Toolが非推奨期のとなり、Ink機能の画面のスケッチを利用するよう誘導されています。

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個人的にはどちらも使い勝手が良いとまで行かなかったので、昔ながらのスクリーンショットが好きですが、Snipping ToolはWindows10ではある種目玉の機能ととらえていたところもあったので、この方向はWindows10も進化をどんどん続けていることがわかる良い機会に感じます。

最後に大きな変更点が一つ。

フォントの追加をMicrosoft Storeから行えるのようになったのは既報の通りですが、そこからさらに、フォントの追加を個人設定として行えるようになる機能が追加されるようです。
今まではフォントといえば、PC管理者がすべてのユーザー向けにインストールする必要があったのですが、Microsoft Storeからユーザーがダウロードしたものはユーザーのみが利用できるフォントとして成り立つようです。インストールにも、盾のマークがなくなって、PC全体へ影響をあたえずにインストールできるようになるとのこと。

まだ意見募集中のようですが、企業向けPCでは結構大きなインパクトが出てきそうです。
例えば、ユーザーがいつの間にか導入していたフォントを用いてプレゼン資料を作っていた場合など、ほかのユーザーで編集をしようとしたらフォントが足りない。などといったことが頻繁に発生しそうですね。。。

ただ、フォントの表現力が広がるという見方もあるので、どちらが良いのか天秤にかけるという考え方はありますね。

RS5のリリースまでには方針が決まると思いますが、どちらになるのかは意識してみていった方がよいかと思います。

音楽:トランスフォーメーション

Windows 10 Build 17704でました。

今週のInsider Previewは1週開けてのリリースとなりました。

Build 17704がリリースです。

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一目見て気になったところは、Edgeのアイコンが変わっていたことです。

【タスクバーのアイコンが変わりました】

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大概タスクバー上にはEdgeを表示させていると思いますが、この表示でInsider Previewなのかどうかが簡単にわかるように笑

ちなみにアイコンによってはBETAの表記が黄色いケースも。

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この黄色はヘルプとフィードバックよりMicrosoft Edgeを評価するを選択した際に表示されました。
また見ての通り、大きな3つのアイコンが。文字が突き抜けてしまっているのは言語の問題ですね。この表示はみだし問題、Windows 3.1のころからずっと見てきていますが、そろそろいい解決策が出てきてほしいですよね。。。

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まだまだEdgeの改良は続きます。
ツールバーに表示できるアイコンの種類が増えました。
順序は変えられないようですが、ツールバーに表示のチェックを入れることでURLの横にアイコンが出てきます。
利用しないものも多い気がするので、使う側で選べるのは良いですね。

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アイコン系では、PDFのアイコンが新しくなりました。
Edgeもアイコンが変わりましたね。
RS5世代になってアイコンの変更は頻繁に行われている気がします。
よりよいゴールを探っているのだと思うので、ぜひこのままいろいろなチャレンジを重ねてもらいたいですね。

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ちなみにひとつ前のBuildで起きていたフォントサイズを変えると戻せない問題は解消されていました。
早い段階で直ってくるので安心して最新のInsider Previewを試していけますよね。このスピード感が開発には重要なのでしょうね。

ほか、パフォーマンスモニタに消費電力が表示されるようになったりと、新しい機能が。

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結構いろいろと手が入っているようなので引き続きチェックを加えていきたいと思います。

音楽:Rain

Office365 Exchange Onlineの監査機能がアップデートされます

Exchange Onlineに限らず、Office365の全体的になのですが、機能の充実を優先することが多く、管理面からここまでのログがほしい。という要望には後追いで答えてくれることが多いのではないかと思っています。
この度、そんなこんなでExchange Onlineの監査機能にUpdateCalendarDelegation, and UpdateInboxRulesに関する監査ログ取得が加わりました。

https://docs.microsoft.com/en-us/powershell/module/exchange/mailboxes/set-mailbox?view=exchange-ps

これで、Exchange Online上では、UpdateFolderPermissions、UpdateCalendarDelegation、UpdateInboxRulesの3つのアクションに関してログが取得できるようになります。

このログは、本機能が有効となる7月末以降は自動的に取得対象となるようです。

また、ログ取得はAuditAdmin、AuditDelegate、AuditOwnerの監査でそれぞれ無効化することもできます。

Exchange オンプレミスの既定設定ではAuditOwner(自分で設定した際の監査)はログがとられなかったりするので、最近ではオンラインの方がより多くのログを残すことが出来ている。という状況になってきていますね。こういったところで機能の利用状況を確認していくことで、利用頻度の高い機能、低い機能を選別してよりよいメール環境を作っていく。というようなことも行っているのでしょうね。大規模に状況を把握していくことができるというのはやっぱりSaaSの利点なんでしょうねぇ、、、

というわけで、広範に取得可能な監査ログ、ユーザーから動作がおかしくなった。といったようなアラートを受けた際には誰が何をしたのかの確認で利用できるので、ぜひ使ってみることをお勧めします。

音楽:Next Time

Windows10 簡単に行えるランサムウェア対策

Windows10のDefenderの機能の中に、ランサムウェアの防止機能があるのはご存知でしょうか。ちょっと深いのですが、設定-更新とセキュリティ-Windows セキュリティ-ウィルスと脅威の防止-ランサムウェアの防止より設定することができます。

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この機能、初期状態ではオフとなっています。(Insider Previewのためかもしれません。オンになってもらいたい機能ではあるので、、、)

設定をするには、コントロールされたフォルダー アクセスをオンにするだけ。
これで特定のフォルダを承認外のアクセスから守ることができます。

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特定のフォルダ。と書きましたが、デフォルトではドキュメントライブラリ群なのですが、追加していくことも可能です。別ドライブにファイルを保存しているケースなどでは設定を進めていく必要があります。

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逆に、そのフォルダ群へのアクセス可能なアプリの登録もこの画面で実施します。
アプリをコントロールされたフォルダー アクセスで許可するより該当するアプリを登録します。

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ここまでは、一般的な整理でウィルスにはアクセスを行わせない。という考え方ですが、Windows10の場合、OneDriveと連携したファイルの退避も意識しています。

それがランサムウェア データの回復という項目になります。
簡単に説明すると、手元のファイルがランサムウェアの手によって改変されたとしても、OneDrive上のファイルは変更されていないはずだから戻せますよ。という理屈ですね。
OneDriveにはバージョン管理もあるので、万一改変後のファイルが同期されていたとしても、何とかなる可能性がある。という考え方ですね。

OneDriveアプリの設定上で自動保存対象をPCからOneDriveにしておく必要があるなど、いくつか設定はあるのですが、こういった機能を有効活用することで、よりセキュアにPCを利用していくことができるようになります。

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いまのところこの機能を利用していない。という方はぜひこの機会に利用を検討してみてはいかがでしょうか。

音楽:Apollon Blue